これまで培った技術を全て注ぎ込む。そう決めて臨んだポストシーズン緒戦は、会心のアガリで好スタートだ。プロ麻雀リーグ「朝日新聞Mリーグ2022-23」セミファイナルシリーズ、4月10日の第2試合は渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)がトップ。試合後は「60万点を狙っていた」と景気良くリップサービスも飛び出した。
【映像】多井隆晴、裏ドラ4枚で勝負を決めた囁きの6000オール
試合は起家からU-NEXT Pirates・鈴木優(最高位戦)、KONAMI麻雀格闘倶楽部・高宮まり(連盟)、EX風林火山・松ヶ瀬隆弥(RMU)、多井の並びでスタート。多井は東1局、自風でドラの北が対子。先制リーチの鈴木優、仕掛けてテンパイの松ヶ瀬に対して、6・9筒・北の変則3面張のリーチで応戦した。多井はこれをツモって、リーチ・ツモ・北・ドラ3の1万2000点をゲット、この上ないスタートダッシュを決める。東4局1本場はまたも鈴木優とのめくり合いの展開。鈴木優からロン、リーチ・平和・赤の5800点(+300点、供託2000点)を手に入れて、さらにリードを広げた。
ダントツ状態の南4局、加点を目指してさらにリーチ。暗刻の7筒をリーチ後にカン、そしてツモを決めると、裏ドラはなんと7筒にモロ乗り。リーチ・ツモ・裏ドラ4の1万8000点、リーチのみの手が親跳満に化け、多井は喜びを押し殺すように「6000オール」と申告した。こうなればもう“王様タイム”。どこまでも点棒を稼いでやろうという思いで連荘するも、最後は松ヶ瀬へ満貫放銃でゲームセット。開局から最後の1打まで多井がゲームの主人公、嬉しいセミファイナル初トップを手に入れた。
試合後のインタビューでは「どこまで僕はやれるんだろう。僕はどれくらいのものなんだろうと、試してみたんですよ」と独特の言い回しで試合を振り返り、さらに満貫を振りこんで試合終了となった結果には「無駄な連荘でしたね」と自虐ネタ、ファンの笑いを誘った。最後の親番は「60万点を狙っていた」と語り、ここでもファンを沸かせる“絶口調”。過去、多くの勝利を手にしてきた男も、裏ドラ4つの親跳満には相当の喜びがあったようで「もう嬉しくて、(稼ぐなら)ここだと。1年に1回のチャンスなんですよ僕にとって。普段消極的なんで。ここだ、60万点狙うならと。難しいですね」と加えた。
過去全てのシーズンでチームはファイナルに進出するも、頂点には手が届いていない。多井は「優勝のためにやれることは全部やる」と宣言。「最低+100でいようかな、ぐらいに思っています」とファイナルまでの道筋を語り、ファンには「優勝できなかった過去、ファイナル、セミファイナルで大負けしていた自分を超えてやると、今年はかなりの覚悟で臨んでいます。これから全部勝つつもりでやります」と心強いメッセージも。これにはファンからも「たかちゃんよくやった!」「かっけー!!」「お願いします!!」「かっこいいよ!たかはる!」とエールが多数寄せられていた。
【第2試合結果】
1着 渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)4万2000点/+62.0
2着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・高宮まり(連盟)2万1400点/+1.4
3着 EX風林火山・松ヶ瀬隆弥(RMU)1万8900点/▲21.1
4着 U-NEXT Pirates・鈴木優(最高位戦)1万7700点/▲42.3
【4月10日終了時点での成績】
1位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 +370.3(2/20)
2位 EX風林火山 +292.7(2/20)
3位 渋谷ABEMAS +58.5(2/20))
4位 KADOKAWAサクラナイツ ▲20.7(2/20)
5位 TEAM雷電 ▲21.2(2/20)
6位 U-NEXT Pirates ▲135.1(2/20)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019-20シーズンから全8チームに。各チーム4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム94試合(全188試合)。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各20試合・全30試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(16試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)







