開幕戦でプロ初登板、ストレートとカーブだけで5回1/3を投げ、7奪三振を奪う快投を見せ、その後、2戦目の登板でも5回10奪三振を奪う好投を見せてプロ初白星を挙げたオリックス・バファローズ山下舜平大の“怪物”ぶりに、NPB・MLBで活躍した野球解説者の五十嵐亮太氏が言及。そのボールの完成度に太鼓判を押した。
【映像】「レベルが違う」 最速157キロで10奪三振! “新たな怪物” オリ山下舜平大の剛球
3月31日にルーナドームで行われた埼玉西武ライオンズ対オリックス・バファローズの開幕戦で、オリックスの先発マウンドに登ったのは、2020年ドラフト1位で、この日が1軍公式戦初登板となる山下。文字通りの“サプライズ登板”となったこの試合で山下は、初回、先頭の西武1番・ペイトンを3球三振に切ってとると、その後も終始落ち着いたマウンド捌きで西武打線を翻弄。4回裏に西武のベテラン・栗山巧のタイムリーで1点を失うものの、5回1/3でマウンドを降りるまで、打者21人から7奪三振と、堂々の1軍デビューとなった。
また、2戦目の登板となった4月11日の東北楽天ゴールデンイーグルス戦(楽天モバイル)で山下は、5回を投げきり、楽天打線を2安打無失点、10奪三振と完全に抑えきり、プロ初勝利を挙げることに。山下といえば、現在のNPBでは珍しく、ストレートとカーブを軸に、そこに新たに習得したフォークを交える形でピッチングを組み立てるという、“少ない球種で勝負するタイプの投手”であることが知られているが、開幕戦に続き、この日の登板でも時折フォークを織り交ぜつつ、190cmの長身から投げ下ろすストレートとカーブをメインに、楽天打線を沈黙させることに成功している。
こうした山下の独特なピッチングスタイルと球種について、五十嵐氏は、「珍しいですね。今、いろんな変化球を投げるピッチャーが増えているんですけれども、やっぱり少ない球種で抑えられるというのは、ポテンシャルというか、1つ1つのボールが他のピッチャーよりも秀でてないと、なかなか抑えられないので、そうした意味でいえば、1つ1つのボールが“超一級品”ということだと思います。」と、その完成度の高さに太鼓判を押した。