4月12日に福岡PayPayドームで行われた福岡ソフトバンクホークス対北海道日本ハムファイターズの一戦で発生した、なんとも珍しい“トリプルリクエスト”について、NPB・MLBで豊富なプレー経験のある野球解説者・五十嵐亮太氏、元NPB審判員の坂井遼太郎氏が言及した。
【映像】「審判が疑った」 球場騒然!物議を醸す前代未聞のシーン “トリプルリクエスト”
1-0、ソフトバンク1点のリードで迎えたこの試合の4回表・日本ハムの攻撃、無死一塁の場面で、日本ハムの4番・野村佑希が、ソフトバンク先発の東浜巨から放った打球は、快音を残してセンター方向へと舞い上がる特大の飛球に。そのままスタンドインするかに見えたものの、フェンスにダイレクトで当たり、クッションボールに。これをソフトバンクのセンター・周東佑京が捕球し、素早く内野中継へと返すと、送球を受けた今宮健太が本塁へと送球。本塁上で一塁から激走した走者の清宮幸太郎と、それをブロックする捕手・甲斐拓也によるクロスプレーとなったが、審判の判定はセーフ。これで日本ハムが1-1の同点に追いつくこととなった。
しかし、ここでソフトバンクの藤本博史監督がリクエストを要求。しかしほぼ時を同じくして、日本ハムの新庄剛志監督もリクエストを要求し、“ダブルリクエスト”状態に。しかも、この珍しい事態に、場内がどよめく中、今度は審判団がリクエストを要求し、前代未聞の“トリプルリクエスト”状態となった。
このあまりに珍しい“トリプルリクエスト”に、4月14日放送『バズ!パ・リーグ』(ABEMA)に出演した五十嵐氏は、「うーん、珍しいですね。僕は(トリプルリクエストの経験は)ないですね。」と、自身の現役時代には経験のないケースであると、首を傾げる様子でコメント。その上で、番組では元NPB審判員の坂井遼太郎氏による解説が紹介されることとなったが、その坂井氏によると、このプレーは「新庄監督はおそらくなんですけど、ホームランなのではないかというふうな形でリプレー検証をしてくれと。藤本監督に関してはホームでのプレーがアウトではないかということでリプレー検証してくれというふうに、同時に出てきたと思うんです。」と、日本ハム側は打った野村の打球がホームランである可能性を、ソフトバンク側は本塁のクロスプレーがアウトである可能性について再検証を求めたと推測。
そして、もう1つのリクエストである審判団によるリクエストについては、「ただ、ここでひとつ、皆さんはほぼ知らないと思うんですけど、審判員が自らリプレー(※リクエスト)検証を行うことができるプレーがあるんですね。そのひとつが、今回のホームランかホームランではなかったかというプレーに関しては、審判員が疑念を持った場合はそれをリプレー検証として行うことができます。」と、一般にはあまり知られていないものの、ホームランか否かというジャッジについて疑念がある場合は、両軍ではなく、審判員側からリクエストできるというルールがあり、今回のケースは、それに則ったものであると解説した。
(ABEMA『バズ!パ・リーグ』)