“常勝軍団”チーム永瀬、強敵相手に快勝!永瀬拓矢王座「一丸となって勝利することができて良かった」
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 将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2023」予選Aリーグ第1試合、チーム永瀬とチーム豊島の対戦が4月15日に放送され、チーム永瀬がスコア5-2の快勝を収めた。優勝1回、ベスト4が2回と毎回本戦出場を果たしている永瀬拓矢王座(30)は第2、4、6局に登場し、見事に個人3連勝。チームメイトの増田康宏七段(25)、本田奎五段(25)もそれぞれ1勝1敗と仕事を果たした。勝負にこだわる常勝軍団・チーム永瀬が、予選突破に向けてまずは順調なスタートを切った。

【映像】快勝を振り返るチーム永瀬

 リーダー自ら、2度目の優勝へのスタートダッシュを決めた。第1局、相棒として4年連続でドラフト指名した増田七段がチーム豊島のベテラン木村一基九段(49)に敗れたところを見届けると、特に多くを語ることなく第2局は自分が出ると決めた。池永天志五段(29)との対戦になったが、相手が先手番から矢倉に囲うと、永瀬九段は雁木模様に。相手の弱点を的確に突く攻めがヒットすると、「激しい将棋で判断自体が難しい、わからないところが多い将棋でした」と振り返ったものの、126手で快勝を収めた。

 第3局、今年の仲間に選んだ本田奎五段(25)がまたも木村九段に敗れると、第4局にまたも永瀬王座が登場。悪い方に傾きかけた流れを、再びリーダーが止めにかかった。豊島将之九段(32)とのリーダー対決になると、トップ棋士の間では研究が深く進んでいる角換わりでの真っ向勝負に。両者ともにハイペースで指し進めると、永瀬王座がじりじりとペースを掴んだものの、中盤に反撃を食らい形勢逆転。それでも自玉の生命力を保つ持ち味たっぷりの指し回しで入玉に成功。粘り勝ちで個人2連勝を果たした。

 3度目の出番は増田七段が豊島九段に勝利した後の第6局。今度はいい流れを増幅させるところだ。池永五段との再戦になると、序盤から相手が工夫を凝らした手を出してきたものの、これを隙と判断して鋭い踏み込み。一気に咎めてペースを握ると、そのまま攻めを継続して勝ち切った。

 3戦3勝と頼もしすぎるリーダーに引っ張られるように最終第7局も、本田五段が意地で今大会初勝利。全員が勝ち星を挙げる理想的な展開で、チーム勝利を決めた。試合後、永瀬王座は「チーム一丸となって勝利できてよかったです。(個人3連勝は)自分でも意外ではあったんですが、よかったです。一局一局激戦でした」と、まずは一安心。次のチーム稲葉戦に勝てば文句なしの1位通過となるが「3人で力を合わせて頑張りたいです」と短い言葉に決意を込めた。今年も勝利を追求し、優勝を目指すチーム永瀬。大将が絶好調というような、何よりの好材料だ。

◆ABEMAトーナメント2023 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり、今回が6回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士14人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全15チームで行われる。予選リーグは3チームずつ5リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
ABEMA/将棋チャンネルより)

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