非の打ち所がない勝利だ。プロ麻雀リーグ「朝日新聞Mリーグ2022-23」セミファイナルシリーズ、4月21日の第2試合はEX風林火山・勝又健志(連盟)がトップ。第1試合で二階堂亜樹(連盟)がラスを引き、下位チームが迫る状況で、再びチームに勢いを与えた。
ポストシーズン開始前に+293.1(レギュラーシーズンのポイントを半分持ち越し)としていたリードも、この日の第1試合終了時点では+95.6と2ケタ台まで減少。折り返し地点を過ぎたここでは、頼れる“軍師”に結果を期待したいところ。この試合は起家からKADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎(連盟)、KONAMI麻雀格闘倶楽部・伊達朱里紗(連盟)、U-NEXT Pirates・鈴木優(最高位戦)、勝又の並びで始まった。
東1局、勝又はイーシャンテンの手牌から、仕掛けてテンパイを入れている伊達、そしてリーチの鈴木優に猛プッシュ。まるで安全牌かのように、不要な牌を切り飛ばした。結果は伊達へ5200点の放銃となるも、軍師らしい即断即決の戦いぶりにファンは沸いた。東2局、勝又は伊達からリーチ・赤・ドラ2の8000点をアガる。東3局はかわし手の平和で1000点のアガリ。東4局は伊達のダブ東対子落としを狙い、巧みにダマテン。ダブ東・ドラの7700点をゲットした。このアガリにファンは「これはきついw」「軍師怖すぎぃ」「完全に勝又のペース」と脱帽だ。
決定打は東4局1本場、リーチ・一発・ツモ・平和・赤・ドラの1万8000点。これで独走状態となった勝又、その後は悠々と守ってゴールイン、チームが息を吹き返すトップとなった。低迷していたチーム状況。勝又は「スタート時点から考えたら200ポイントくらい減ってしまったので、ファンの皆さんに心配させてしまっていると思いますけど。ただポジティブに、試合開始前で3位なので、今から9回勝負のセミファイナルが始まるという気持ちで戦おうと思っていました」と心境を振り返った。
反撃の狼煙となった東4局の7700点については、伊達の対子落としをほぼ見切っていたと説明。さらには東1局のイーシャンテンからの押し返しが結果的に布石になった(テンパイしていないだろうと相手に思わせた)として、大局観に基づいた押し引きが、好結果に結びついたことを喜んだ。
最後にファンへ勝又は「トップ1回、ラス2回はファイナルに行けると思いますが、ただもちろん目標は優勝ですので、このセミファイナルにでも1ポイントを大切に、自分たちらしい麻雀で精一杯頑張りたいと思います」とレギュラーシーズンと変わらないコメントを送り、健闘を誓った。“軍師”が展開した好ゲーム。解説の土田浩翔(最高位戦)は要所のアガリへ「さすがのゲーム回し」と賛辞を送り、試合を総評して「見事な1戦でしたね」とやはり手放しで褒め称えていた。
【第2試合結果】
1着 EX風林火山・勝又健志(連盟)5万3200点/+73.2
2着 U-NEXT Pirates・鈴木優(最高位戦)2万5400点/+5.4
3着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・伊達朱里紗(連盟)1万5200点/▲24.8
4着 KADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎(連盟)6200点/▲53.8
【4月21日終了時点での成績】
1位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 +196.0(10/20)
2位 EX風林火山 +168.8(12/20)
3位 TEAM雷電 +155.3(10/20))
4位 渋谷ABEMAS +66.1(10/20)
5位 U-NEXT Pirates +4.5(12/20)
6位 KADOKAWAサクラナイツ ▲46.2(10/20)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019-20シーズンから全8チームに。各チーム4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム94試合(全188試合)。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各20試合・全30試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(16試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)






