少子高齢化が進み、2070年の日本の人口が約8700万人にまで減少する見通しであることがわかった。その深刻度には差があり、専門家は特に埼玉・千葉・奈良の「高齢化のスピード」に警鐘を鳴らす。その理由に迫った。
国立社会保障・人口問題研究所が5年ごとに発表している「日本の将来推計人口」のグラフを見てみると、日本の人口は2020年以降減少していく一方で、65歳以上の高齢者が占める割合は、2020年の28.6%から2070年には38.7%まで増加している。そして、外国人の割合は2.2%から10.8%まで増える予測となっている。
日本の人口が減少する主な原因について、人口学・地理学などが専門の青山大学院経済学部・井上孝教授は「少子化が最大の原因だ」という。
また、外国人の割合が増えることについては「あくまでも政策次第」とし、次のように話す。
「日本は円安でかつてに比べれば魅力は下がっているが、アジアの国にとって労働市場としては魅力的。政策を開放的にすると(グラフの)数字は上がる可能性もある」(以下、全て井上教授)
高齢化については、その「進行の早さ」が問題になる。都道府県別に見てみると、ベッドタウンである埼玉、千葉、奈良で高齢化の進み具合が早いことがわかる。
「年金制度や医療施設、高齢者施設などのハードソフト面での整備が追いつかない。改変、アップデートが追いつかないことが高齢化の最大の問題だ」
では今後はどういった社会を目指せばよいのか。
「高齢化と人口減少は避けられないので、なるべく早く高齢化に対応したハードソフトを整えていくことが必要。外国人に関しては、人口の11%程度になるとすれば、今は多文化共生社会の入り口をノックしたことになる。海外の文化の受け入れも必要になる」
その外国人の中で、高度人材を確保するという側面での問題は。
「高度人材はどこの国も欲しいので奪い合いになっているが、日本は出遅れている面がある。世界的な高度人材のマーケットに積極的に参入して、そういう人たちにとって魅力のある職場、労働環境を整えていくことが必要だ」
この高度人材について、ニュース番組『ABEMAヒルズ』コメンテーターであり琉球大学工学部教授の玉城絵美氏はこう話す。
「我々の場合、ボディシェアリング(個人の体験の拡張を実現するシステム)を使って、リモートで海外からロボットにアクセスして、働いていただくっていうのものをやっている。こうした技術的な要素でロボットが働くというのと、海外から一緒に働いてくださる方を募集することで日本らしいシステムが作れ、生産性上がるのではないか」
(『ABEMAヒルズ』より)
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