昨期、この時期に大きく咲いたサクラ。今年もその景色を誰も諦めてはいない。プロ麻雀リーグ「朝日新聞Mリーグ2022-23」セミファイナルシリーズ、4月28日の第2試合はKADOKAWAサクラナイツ・渋川難波（協会）がトップ。第1試合で岡田が3着、残り5戦5勝がほぼ必須となったまさに土俵際で、気迫の闘牌を見せた。
試合は起家からEX風林火山・松ヶ瀬隆弥（RMU）、渋川、TEAM雷電・黒沢咲（連盟）、U-NEXT Pirates・小林剛（麻将連合）の並びで開始。渋川は東1局、親の松ヶ瀬のリーチへ勝負を挑み、痛恨の5800点を放銃。しかし東1局1本場、黒沢と小林を相手にリーチでめくり合い、これを制してリーチ・ツモ・赤の4000点（＋300点）とした。
さらに渋川は東2局、同1本場と続けてリーチ。いずれも流局となったものの、1人テンパイで着実に加点。東4局は七対子の赤5索待ちをテンパイすると、これを貪欲にリーチして跳満、倍満といった高打点を狙った。この局は横移動で決着したものの、大きなトップを取ってファイナルへ行くという強い意志がファンへ伝わった。
決定打は南1局。渋川はカン5索と苦しい待ちながら、456の三色同順が確定したテンパイをダマテンに構えた。小林、そして黒沢がリーチとくるや否や、もはやダマテンの意味はないとばかりに追っかけリーチ。山に残り1枚のこの牌を、小林が掴んでロン。リーチ・タンヤオ・三色同順・赤・ドラの1万2000点とした。南4局は親の小林がテンパイしないまま流局。最後も渋川はテンパイを取り切り、トップでゲーム終了した。
大きなトップが求められるチーム状況。渋川は勝利者インタビューで「トップは嬉しいんですけど、ちょっと足りなかったかな」と複雑な表情を見せた。残された時間は少ない。渋川はさらに「残り5回、普通の5連勝じゃダメなんで。トップは絶対取らなきゃいけなくて、隙あらば大きいトップを取る。親番は捨てずに行こうという感じでしたね」と続けた。
東4局、七対子の赤5索待ちをリーチしたことについては「単純に打点で、もう待ちを選んでいる場合じゃないし。オリてる場合でもないんで。『こういうの勝たなきゃダメなんだ！』という気持ちで」と、ここでも大トップを目指して、攻撃的なバランスを選んだと説明した。
渋川は最後に「誰一人まだ諦めてないんで。諦めてないからこそ無茶でも通して、奇跡の大逆転通過を狙っています」と語り、ファンには重ねて「誰一人諦めていないんで、応援よろしくお願いします！」とメッセージを伝えると、ファンからは「かっこいいよ！」「諦めてないぞ！」「渋川さんトップおめでとうございます！」「あと４戦頑張って欲しいな」と、選手の背中を押す声が多数寄せられた。
奇跡の大逆転に向けてまずは一歩前進。昨期の覇者、そして過去セミファイナルでは負けなしのチームによる執念が伝わる戦いぶりだった。
【第2試合結果】
1着 KADOKAWAサクラナイツ・渋川難波（協会）3万9500点／＋59.5
2着 EX風林火山・松ヶ瀬隆弥（RMU）2万6100点／＋6.1
3着 TEAM雷電・黒沢咲（連盟）2万4000点／▲16.0
4着 U-NEXT Pirates・小林剛（麻将連合）1万400点／▲49.6
【4月28日終了時点での成績】
1位 TEAM雷電 ＋258.7（16/20）
2位 EX風林火山 ＋212.3（16/20）
3位 渋谷ABEMAS ＋181.1（16/20）
4位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ＋146.0（16/20）
5位 U-NEXT Pirates ▲2.4（16/20）
6位 KADOKAWAサクラナイツ ▲251.2（16/20）
※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019-20シーズンから全8チームに。各チーム4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム94試合（全188試合）。上位6チームがセミファイナルシリーズ（各20試合・全30試合）、さらに上位4位がファイナルシリーズ（16試合）に進出し、優勝を争う。
（ABEMA／麻雀チャンネルより）
