羽生善治九段がまさかの弱気発言！？「優勝は遠かったということで…」チーム羽生、初挑戦の弓道に「奥深いことを痛感」／将棋・ABEMAトーナメント

　将棋の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2023」に出場するチーム羽生が、予選Bリーグへの参戦に恒例のチーム動画収録に参加した。羽生善治九段（52）、梶浦宏孝七段（27）、伊藤匠六段（20）の3人は、厳しい戦いを前に精神の鍛練を行うため弓道に挑戦。全員初挑戦とあり、悪戦苦闘しながらも懸命に的を狙った。

【映像】弓道に初挑戦した羽生善治九段

　チーム羽生は、今期メンバーを一新。羽生九段は、伸び盛りの若手棋士・梶浦七段、伊藤六段を指名した。決勝戦までの約5カ月間の厳しい戦いを想定し、羽生九段が提案したのは弓道。羽生九段も初挑戦とあり、「どういうものなのか楽しみ。将棋に通じるものもあると思う」と好奇心をのぞかせていた。早速揃いの道着に着替えると、さすがの着こなしにファンからは「やっぱり似合いますね」「弓道着姿萌え」の声も。教士から「姿勢と集中力、根気の良さ、それは弓道に通じる一番大切なこと。的に向かって矢を放つ、そこまでやって頂けたら嬉しいです」とのアドバイスを受け、一対一の熱心な指導を受けていた。

　秘めていた才能を見せたのが梶浦七段。初チャレンジながら安土を射ると、「あれ！？結構飛びました。嬉しいです！気持ち良かったです」と驚いた表情を見せる場面も。3人の中で最も早い成長を見せていた。一方、タイトル通算99期のレジェンド・羽生九段はまさかの大苦戦。「全然ダメ。飛ぶイメージが全くわからない…」。伊藤六段も「力のかけ方が難しいですね」と苦笑いを浮かべていた。

　最後は「優勝を狙う」にかけて、的を射抜くことに挑戦。練習の成果を発揮する大一番を迎えた。一番手は伊藤六段。集中して狙いを定めたが、的を捉えることは出来ず。続いて梶浦七段が挑戦し、見事的の頭を射ることに成功した。最後は羽生九段。ここ一番の勝負強さを発揮する…かと思いきや、矢は真上の幕へ。まさかの結末に、羽生九段は「“優勝”は遠かったということで…」とガックリ肩を落としていた。

　それでも3人で新しいことにチャレンジしたことで、チームの絆は深まった様子。瞳を輝かせて的を狙う楽しそうな表情に、ファンからは「ずっと可愛い連呼してました」「父と2人の息子感」「弓を引っ張るのに相当力がいるんだね」「カジーかっこいい！」と多くのコメントが寄せられていた。

　挑戦を終えた羽生九段は「“道”と言われるものだけあり、すごく奥深いものだと痛感いたしました」、梶浦七段は「矢を射る時に前に飛んでいく時がすごく気持ち良くて、楽しい時間を過ごさせていただきました」、伊藤六段は「なかなか手ごたえがつかめなかったですが、貴重な経験をさせていただきました」と感想を語った。

　この体験を受け、チーム羽生のチーム名は『不動心』に決定。羽生九段は「私の師匠（故・二上達也九段）がよく揮毫していたことにもちなんで」と命名の理由を加えていた。目指すは優勝。「3人で力を合わせて頑張りましょう！」と力強く拳を突き上げていた。

◆ABEMAトーナメント2023　第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり、今回が6回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士14人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全15チームで行われる。予選リーグは3チームずつ5リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
（ABEMA／将棋チャンネルより）