将棋の渡辺明名人(39)に六冠保持者の藤井聡太竜王(王位、叡王、棋王、王将、棋聖、20)が挑戦する第81期名人戦七番勝負が5月13日、大阪府高槻市の「高槻城公園芸術文化劇場」で第3局が行われ、渡辺名人が41手目を封じて指し掛けとした。あす14日午前9時頃に封じ手が開封され、対局が再開される。
開幕から2連勝とスタートダッシュを決めた挑戦者の藤井竜王が名人位へ王手をかけるか、渡辺名人が4連覇への反撃を開始するか。注目の第3局は、渡辺名人の先手で矢倉対雁木の出だしとなった。両者とも慎重に駒組を進めて、比較的穏やかな進行に。重々しい時間が流れる長考合戦の進行となった。現地からABEMAの中継に出演した立会人の久保利明九段(47)は、「序盤から工夫して意欲的な渡辺名人に対し、藤井竜王は自然体。深く考えながら対局している印象」と語った。
しかし、封じ手の時刻を前に両者の指し手が進み、一気に緊張感が高まる展開に。午後6時30分に立会人の久保九段が封じ手の定刻を迎えたことを告げると、手番の渡辺名人はすぐに封じる意思を示し、指し掛けとした。封じ手での形勢は互角と見られており、本格的な激しい戦いが始まる2日目の展開に大きな注目が集まりそうだ。第3局2日目は、14日午前9時頃に再開が予定されている。
持ち時間は各9時間。ABEMAではこの対局を終了まで生放送する。
【封じ手時点での残り持ち時間】
渡辺明名人 5時間23分(消費3時間32分)
藤井聡太竜王 4時間28分(消費4時間32分)
(ABEMA/将棋チャンネルより)