5月7日に行われた北海道日本ハムファイターズ対東北楽天ゴールデンイーグルスとの一戦で、日本ハム五十幡亮汰が左太もも裏を痛めて途中交代。ゲーム復帰まで五十幡は3週間の見込みとなった。五十幡といえば、俊足・強肩・好守で今季も開幕当初から活躍。新庄監督期待の“新庄チルドレン”ともいうべき期待の若手だが、そんな五十幡といえば、やはり“足”で魅せるプレーだ。
【映像】速すぎる! 球界最速クラスのスピードで盗塁を決める瞬間
新庄監督就任前の2021年5月7日に初めて一軍登録された五十幡は、5月9日の東北楽天戦で、自慢の俊足を飛ばして内野安打でプロ初安打を記録すると、すかさず盗塁成功。また、別の打席ではダブルプレー崩れで出塁すると、ここでも二盗。中学時代の陸上全国大会では、サニブラウン・アブデル・ハキームを破って短距離2冠を達成するという快挙を成し遂げたその脚力を、いきなりプロデビューイヤーから披露することとなった。
この年、左太もも裏の肉離れにより、わずか27試合の出場でありながらも、9盗塁をマークした五十幡は、早くも他球団から俊足を超えた“爆足”ぶりをマークされるまでになったが、そんな当時の五十幡について、野球解説者の里崎智也氏は、ABEMAの『バズ!パ・リーグ』に出演した際に、五十幡が代走で起用され、相手バッテリーが警戒する中でも余裕を持って二盗を決めたシーンを見ながら「スピードはありますよね。あとはやっぱり出る(出塁する)力も備えていかないといけないですよ。やっぱ自分で出ていかないと。足っていうのは、塁に出て初めて活かされるんで。塁に出ないと盗塁もいいとこ見せられないんで。出塁率にこだわって、フォアボールでもいいんでね。そういったところで出塁していくことが、より自分のパフォーマンス能力を上げていくためには必要不可欠でありますし、足の速さは充分伝わってくるんで、あとは走塁技術だったりとか、スタートだったりとか、状況判断を含めた上でね、怖い存在になっていく。」と、今後さらなる飛躍を見せる上での課題を挙げつつも、日本ハムが足を使った攻撃スタイルを実践する上で貴重な戦力となり得ることを指摘していた。
その後、昨季は新たに就任した新庄監督から4番候補として期待された五十幡であったが、椎間板ヘルニアの摘出手術などの影響で出遅れたこともあり、わずか6試合の出場と、不本意な結果に。しかし、それでも五十幡に期待を寄せる新庄監督は、今季も開幕から重用し、ここまで27試合に出場。打率.278と確実性が増した打撃に加え、10盗塁をマークしているほか、その随所で“爆足”を活かした好走塁や好守を披露するなど、監督の期待に応える活躍を見せている。
また、開幕直前に収録された西岡剛(福岡北九州フェニックス監督)氏のYouTubeチャンネル『西岡剛チャンネル』上での対談の中で、五十幡にスイッチヒッターを挑戦させた場合の可能性について、現役時代にスイッチヒッターとして活躍し、首位打者を獲得した西岡に「うちで言う五十幡君が、左なのよ。今年から右の練習させたら遅い?」と質問し、西岡氏の話を聞いた上で、「じゃあ、イケそうじゃない?五十幡。」と乗り気になる場面もあるなど、五十幡の持つ様々な可能性を積極的に探る様子を垣間見せていた。
そうした意味でいえば、今回の負傷による一時離脱は、五十幡自身はもとより、新庄監督にとっても、また、チームにとっても手痛いものであることは間違いないが、逆にそうした状況であるからこそ、今はただ、五十幡の怪我が無事に完治し、その“爆足”で、再びチームに勝利と活力をもたらす日が来ることに期待したい。
(ABEMA『バズ!パ・リーグ』)