伊藤匠六段、A級棋士相手にわずか67手で完勝 羽生善治九段も拍手で「お見事でした!」/将棋・ABEMAトーナメント
【映像】ABEMAでみる

 若さの勢いと高い棋力で、実力者を圧倒した。将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2023」予選Bリーグ第2試合、チーム羽生とチーム斎藤の対戦が5月13日に放送された。第4局はチーム羽生の伊藤匠六段(20)が、順位戦A級のリーダー斎藤慎太郎八段(30)に挑戦。タイトル経験、名人挑戦経験があるトップ棋士の胸を借りるどころか、わずか67手という短手数で圧勝した。

【映像】A級棋士を圧倒した伊藤匠六段に羽生善治九段もびっくり

 最先端の研究と切れ味抜群の判断力で、トップ棋士に何もさせなかった。この試合の第1局、冨田誠也四段(27)を下して勢いづいていた伊藤六段は、斎藤八段に先手番から最先端の相掛かり戦で勝負を挑んだ。すると序盤から研究手順を全開。早々に桂馬を跳ねる一手に対して、控室で見守っていたリーダー羽生善治九段(52)も「これは絶対研究してるね。じゃなきゃこんなノータイムで跳べないもの」と目を丸くしていた。

 相掛かりや角換わりは居飛車党の間でもかなり研究が進んでいる戦型で、斎藤八段もしっかり研究しているだろうが、伊藤六段のスピードはさらにその上を行く。気づけば残りの持ち時間も伊藤六段が5分、斎藤八段が1分を切るという大差がつき、ABEMAの「SHOGI AI」でも伊藤六段の勝率が90%を超える勝勢に。そのまま淀みなく指し進めた伊藤六段が完勝を収めた。

 快勝して帰ってきた伊藤六段に、羽生九段は「お見事でした!」と絶賛しきり。同い年の藤井聡太竜王(王位、叡王、棋王、王将、棋聖、20)が大活躍中だが、いずれはタイトル戦で激突するだろうことを予感させる、そんな快勝劇だった。

◆ABEMAトーナメント2023 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり、今回が6回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士14人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全15チームで行われる。予選リーグは3チームずつ5リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

【映像】羽生善治九段、珍しい相振り飛車について語る
【映像】羽生善治九段、珍しい相振り飛車について語る
【映像】A級棋士を圧倒した伊藤匠六段に羽生善治九段もびっくり
【映像】A級棋士を圧倒した伊藤匠六段に羽生善治九段もびっくり
【映像】A級棋士を圧倒した伊藤匠六段に羽生善治九段もびっくり