やることは明確、ライバルは強者揃い。“闘神”はたぎる思いを抑えて試合へ入り、剣が峰では自らを解放した。プロ麻雀リーグ「朝日新聞Mリーグ2022-23」ファイナルシリーズ、5月15日の第1試合はTEAM雷電・瀬戸熊直樹（連盟）が逆転トップ。首位チームへ親満貫を放銃するという滑り出しから、随所にベテランの巧者ぶりを見せ、不屈なメンタルで戦い抜いた。
一戦も譲れないファイナル後半戦の初戦。この試合は東家からEX風林火山・二階堂瑠美（連盟）、渋谷ABEMAS・日向藍子（最高位戦）、KONAMI麻雀格闘倶楽部・高宮まり（連盟）、瀬戸熊の並びで開始した。
「渋谷ABEMASより上の順位」が至上命題として臨んだこの試合、瀬戸熊は東1局に日向へ親満貫を放銃。最悪のスタートとなってしまった。さらに東3局は高宮も瑠美から親跳満をアガり、瀬戸熊はトップ争いから遠ざかる。しかしここから立て直しがベテランの本領発揮。東2局「二の矢を打たせないように」とレギュラーシーズンでは見せない1000点の仕掛けで親を蹴り、迎えた東4局の親番。ドラ八万を暗刻にして、北単騎待ちのリーチを敢行。これに瑠美が飛び込んでリーチ・赤・ドラ3・裏ドラの1万8000点が完成。一気に3万点台へ浮上した。
南1局1本場は五・八万待ちの先制リーチ。これを日向からアガってリーチ・一発・ドラの5200点（＋300点、供託1000点）。南2局はまたも日向からリーチ・赤・裏ドラの5200点をアガって高宮と並ぶ。南3局は高宮が瑠美へ満貫放銃、これで瀬戸熊がトップ目に立つと、南4局も横移動でゲームセット。瀬戸熊は12日の第2試合でトップを取った本田朋広（連盟）に続き、チーム連勝を決めた。
「いきなり当面のライバルに1万2000を放銃して…」と反省から始まった勝利者インタビュー。その後、日向の親を蹴るために仕掛けてアガり切ったこと、東4局の北単騎待ちに至る思考など、この正念場で考え抜いたことをじっくりと語った。落ち着いて戦おうと思っても、戦況が許さなかったこの試合。瀬戸熊は「今日は打牌もソフトにキチッとやり切ろうと思ったら、いきなり1万2000の放銃で…。グッドマナー賞を取ろうと思ったんですけど、最後は（勝負に）入り込んでまた乱れてたんで、次はキチッとマナーよくやりたいと思います」と照れ笑い。
この日はチームのオンラインパブリックビューイングが開催。5年目の初ファイナル、そして初Vへのチャレンジを多くのファンが見守っている。「まずは1試合目、美味しいビールが飲めたんじゃないでしょうか」とファンへ語り掛けて、最後は「初優勝目指して頑張ります！」と健闘を誓った。ライバルへの放銃から見事立て直した瀬戸熊に、視聴者からは「瀬戸熊さんナイスでした～！」「雷電ホンマに優勝してほしい！！」「ないす！くま！かっこいいぞ！」と声援が寄せられていた。
【第1試合結果】
1着 TEAM雷電・瀬戸熊直樹（連盟）4万2300点／＋62.3
2着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・高宮まり（連盟）2万8200点／＋8.2
3着 渋谷ABEMAS・日向藍子（最高位戦）2万2800点／▲17.2
4着 EX風林火山・二階堂瑠美（連盟）6700点／▲53.3
※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019-20シーズンから全8チームに。各チーム4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム94試合（全188試合）。上位6チームがセミファイナルシリーズ（各20試合・全30試合）、さらに上位4位がファイナルシリーズ（16試合）に進出し、優勝を争う。
（ABEMA／麻雀チャンネルより）
Mリーグ 日程
Amazon人気商品
