東京都で3年ぶりに「はしか」の感染者が確認された。感染力が非常に強く、免疫を持っていない人が感染すると「ほぼ100%発症する」と言われている。感染を防ぐために重要なのは予防接種だが、接種を忘れたり、何回打ったかわからなくなっている人もいるという。対策を医師に聞いた。
4月27日、茨城県に住む30代の男性がインドから帰国後にはしかの感染が判明。その後、この男性と新幹線で同じ車両に乗っていた都内の30代の女性と40代の男性も感染が発覚した。
はしかの症状は高熱や発疹で、肺炎や脳炎を合併することも多く、“1000人に1人が死亡する”とも言われている。原因となる「はしかウイルス」には、抗ウイルス薬が存在せず、空気感染するためマスクでは防ぎきれない。根本的な治療法がないなか、唯一の対策は予防接種となる。
この予防接種は生後12カ月~24カ月に1回目、小学校入学前の1年間に2回目というように、幼少期に2回行うことが推奨されている。しかし、2回目の接種を打ち忘れてしまう保護者は意外と多いという。「にじいろおやこクリニック」の樋口麻子医師は次のように注意を呼びかける。
「ワクチンが普及する前は“命定め”といわれて、かかってしまうと命を落とすといわれる感染症だった。(普段から)病院にかかっていればリマインドできるが、小学校入学前くらいになると、あまり病気をしなくなるという子が多い。接種券が来ていても後回しにしてしまい、気づいた時に期限が切れたなどの場合もあるだろう」
はしかの予防接種については母子手帳で回数を記録できるようになっているが、実家を離れているなどすぐに確認できないケースもある。そうした場合について、樋口医師は「血液検査で抗体があるか検査できる」と明かす。
「血液検査で抗体があるかどうかを調べて、それが低かった場合はその時点で接種する。自費診療という形になるので負担は100%かかってしまうが、妊婦の周辺にいる人は打ってほしい。妊娠前から妊娠中にかけて、妊婦は予防接種が一切打てない。妊娠の可能性がある女性が周りにいる人は抗体検査をして免疫を付けてもらいたい。
ある程度の人数が免疫を付けていないと流行する可能性は残る。『集団免疫』という意味では臨界点を超えていくことが大事なので、自分がかからないだけでなく“人に伝染させない”ことを考えて予防してほしい」
(『ABEMAヒルズ』より)
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