将棋の第81期名人戦七番勝負は5月21日、福岡県飯塚市の「麻生大浦荘」で午前9時から第4局の対局を開始した。今シリーズは、4連覇を狙う渡辺明名人(39)に、最年少名人獲得を目指す藤井聡太竜王(王位、叡王、棋王、王将、棋聖、20)が初挑戦するビッグマッチ。開幕から2連勝とスタートダッシュを決めた藤井竜王が名人獲得にあと1勝と迫るか、第3局で反撃の1勝を飾った渡辺名人が追いつくか、大注目の戦いが始まった。
【中継】渡辺名人VS藤井竜王 注目の名人戦第4局(生中継中)
渡辺名人は、2000年4月に四段昇段。竜王戦1組(1組以上:17期)で、第80期名人(A級以上:12期)。タイトル通算31期は歴代4位、現役2位の快記録。棋戦優勝も11回を数える。序盤研究の深さから中終盤の粘り強さ、細い攻めをつなげる卓越した技術など、どこを取ってもトップクラスでバランスの取れた超一流棋士だ。名人戦は、2020年に豊島将之九段を4勝2敗で破りタイトルを奪取。以来、2年連続で斎藤慎太郎八段の挑戦を受け、いずれも4勝1敗で退けて3連覇を達成した。今期の七番勝負は連敗スタートとなったが、「新・将棋のまち」を標ぼうする大阪府高槻市で反撃の1勝を飾った。
挑戦者の藤井竜王は、2016年10月に四段昇段。第35期竜王(1組以上:2期)、順位戦A級(A級:1期)。2022年度は保持する5つのタイトル防衛に加えて、初挑戦となった棋王戦五番勝負を制し最年少六冠王に。4つの一般棋戦すべてでも優勝を飾るなど、勝率、勝数でランキング1位に輝き、3年連続3度目の最優秀賞棋士賞を獲得した。初参戦となった順位戦A級は、7勝2敗の好成績でで駆け抜け、プレーオフを経て初の挑戦権を獲得。現在、防衛戦の叡王戦五番勝負を同時並行で戦うハードスケジュールをこなしている。
藤井竜王が奪取した場合は、谷川浩司十七世名人(61)が保持する21歳2カ月という名人獲得の最年少記録を40年ぶりに更新。さらに羽生善治九段(52)に続く史上2人目の七冠となる。本局を制し、挑戦者が一気に名人位に“王手”をかけるのか、4連覇に向かう渡辺名人が連勝を飾り追いつくのか。持ち時間は各9時間の2日制で、第4局の先手は藤井竜王。ABEMAではこの対局を終了まで生放送する。
(ABEMA/将棋チャンネルより)