自分にツッコミでも入れないと、やっていられなかったのかもしれない。将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2023」予選Bリーグ第3試合、チーム山崎とチーム斎藤の対戦が5月20日に放送された。リーダー山崎隆之八段(42)は第5局に登場するも、チーム斎藤の新鋭・黒田尭之五段(26)に78手で完敗。直後に行われた第6局のオーダー会議の最中「ちょっと、がんばれよ!」と自分の顔写真が入ったパネルにぺちんとビンタを注入する一幕があった。
頑張ってはいるけれど、結果につながらない。指し回しもトークも独特なところが人気の山崎八段だったが、この試合ではどうにも本調子が出なかった。チームメイトの佐々木大地七段(27)が第1局から3連投して2勝1敗、第4局を中村太地七段(34)が落とし、スコア2-2で迎えた第5局に、リーダー自ら登場した。2連勝から2連敗。タイに追いつかれたところでなんとか踏ん張りたかったが、黒田五段が後手番で用意していた横歩取り模様の将棋にペースを握られ、いいところなく敗戦。さらに相手を勢いづかせることになってしまった。
誰よりも歯がゆかったのは山崎八段自身だ。終局直後「もう少しいい勝負にできる順がきっとあった。ちょっと悔しいです。自分が腹立たしいです」とこぼすと、仲間のもとに帰るやいなや「申し訳ない。本当に申し訳ない」と反省しきり。さらには、自分のパネルを手にして「頑張れよって感じですね」とぺちんとビンタ。これには心配していたチームメイトからも笑いが起き、ファンからも「山ちゃんキャラはNo.1」「自分にカツを」「叩くなw」というコメントが集まった。
なんとか気持ちを奮い立たせて第6局も連投した山崎八段だったが、冨田誠也四段(27)に敗れて連敗。チームもスコア3-5で敗れ、予選敗退が決まった。試合後は「視聴者のみなさまにはお恥ずかしいところを全て見られてしまった。どんな顔してこれから…」と、苦笑いしながらも悲しみのどん底といったコメント。あまりの凹みぶりに、後輩が必死にフォローしていた。
◆ABEMAトーナメント2023 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり、今回が6回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士14人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全15チームで行われる。予選リーグは3チームずつ5リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)