【2023年5月28日速報】
2023年5月28日の第4局にて藤井聡太叡王が勝利、3勝1敗で防衛に成功しました。

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 2023年4月11日から6月17日までの日程で開催中の、将棋第8期叡王戦五番勝負。しかし、最近将棋を見始めたという人の中には、「叡王戦」という名前に聞き覚えのない人もいるのではないでしょうか?

第8期 叡王戦 五番勝負 第四局 藤井聡太叡王 対 菅井竜也八段
第8期 叡王戦 五番勝負 第四局 藤井聡太叡王 対 菅井竜也八段

 そこでこの記事では、叡王戦の概要や独自のルールについて、知っておきたいポイントを分かりやすくまとめていきます。

目次

  • 叡王戦とは?
  • 叡王戦のルールは?
  • まとめ

叡王戦とは?

 叡王戦とは、現在将棋界に8つあるタイトル戦のうちの1つ。2015年度に一般棋戦として第1期が開始され、2017年度の第3期からタイトル戦に昇格した、最も新しいタイトル戦です。なお、タイトル戦には序列が設定されていますが、現在の叡王戦の序列は竜王戦・名人戦・王位戦に次ぐ第4位となっています。

 ちなみに叡王戦の名称は、公募に寄せられた3422件の名称案の中から主催者が選出した9件を候補として、ニコニコ動画のサイト上で行われたユーザー投票により決まったもの。ほかのタイトル戦と同様に、勝者は「叡王」の称号を名乗ることを許されます。なお、命名者はその由来について「知恵や叡智を競う将棋の頂点に相応しい称号を考えた。叡という字には、明らか、聡明、物の道理に通じた、という意味がある」とコメントしています。

 2023年5月現在の叡王は藤井聡太(ふじい そうた)九段。2021年度の第6期叡王戦で豊島将之(とよしま まさゆき)叡王を3勝2敗で破り、同氏にとって棋聖・王位に続く3つ目の獲得タイトルとなりました。なお、当時19歳1か月でのタイトル三冠は、史上最年少記録としてファンやマスコミを騒がせていました。

叡王戦のルールは?

 タイトル保持者である叡王への挑戦者は予選で決まるのですが、その予選は二段階となっていて、まずは四段以上の棋士による段位別予選トーナメントが行われます。このトーナメントを勝ち抜いた四段1人、五段1人、六段2人、七段2人、八段3人、九段3人の計12名と、前期叡王戦ベスト4以上の4名をシードとして含めた16人による本戦トーナメントが行われ、その勝者が叡王への挑戦者となるのです。

 こうして挑戦者が決まると、前期叡王との五番勝負が行われ、先に3勝した方が次の叡王となります。ちなみに、2020年度の第5期までは七番勝負で持ち時間も変則的だったのですが、その翌年の第6期から五番勝負・持ち時間4時間となりました。

 なお、持ち時間の計り方にはストップウォッチ方式とチェスクロック方式があるのですが、叡王戦では比較的珍しいチェスクロック方式が採用されています。この2つがどう違うかと言うと、ストップウォッチ方式は1分未満が切り捨て――つまり59秒の時点で指せば持ち時間の消費はゼロだったのですが、チェスクロック方式だと秒単位で持ち時間を計測するので、棋士にとってはよりシビアな戦いとなるのです。

 このチェスクロック方式の棋戦は最近増えてきていて、タイトル戦では叡王戦以外に王座戦でも採用されています。また、新銀河戦やABEMAトーナメントといった非公式戦でも用いられており、今後も幅広く採用されていくことになりそうです。

まとめ

 以上、叡王戦について概要や独自のルールをわかりやすくまとめました。2023年の第8期叡王戦も佳境に入っており、藤井聡太叡王の2度目の防衛なるか、それとも挑戦者の菅井竜也(すがい たつや)八段が巻き返すのかが注目されています。両者がタイトル戦で対決するのは今回が初めてですので、ファンはこの大一番を見逃さないようにしましょう!

(C)日本将棋連盟

第8期 叡王戦 五番勝負 第四局 藤井聡太叡王 対 菅井竜也八段
第8期 叡王戦 五番勝負 第四局 藤井聡太叡王 対 菅井竜也八段