将棋の藤井聡太叡王(竜王、王位、棋王、王将、棋聖、20)が5月28日、第8期叡王戦五番勝負の第4局で菅井竜也八段(31)と午前9時から対局を開始した。“対抗形シリーズ”となった今期は藤井竜王の2勝、菅井八段の1勝で推移。防衛に王手をかけている藤井叡王が本局で決め切るか、挑戦者の菅井八段がカド番をしのいでフルセットに持ち込むか、大注目の一戦が始まった。
【中継】藤井叡王VS菅井八段 注目の叡王戦第4局(生中継中)
藤井叡王は、2016年10月に四段昇段。第35期竜王(1組以上:2期)、順位戦A級(A級:1期)。2022年度は保持する竜王、王位、叡王、王将、棋聖の防衛に加えて、初挑戦した棋王戦五番勝負も制して最年少六冠王に。4つの一般棋戦すべてで優勝を飾るなど、勝率、勝数でランキング1位に輝き、3年連続3度目の最優秀賞棋士賞を獲得した。叡王戦は2020年度の第6期に初挑戦。豊島将之叡王(当時)とフルセットの激闘の末に、3勝2敗で戴冠を果たした。続く第7期は、タイトル戦初挑戦の出口若武六段をストレートで退け防衛。今期は3連覇に挑んでいる。
菅井八段は、2010年4月に四段昇段。竜王戦2組、順位戦A級(A級:3期)。振り飛車党の絶対的エース棋士として知られ、2017年度の第58期王位戦で初戴冠。平成生まれ初のタイトルホルダーとなった。棋戦優勝は通算4回。叡王戦は、第4期に挑戦者決定三番勝負に進出したが、永瀬拓矢王座に1勝2敗で敗れ挑戦権を逃した。今期は段位別予選八段戦予選優勝から、本戦では石井健太郎六段、佐藤天彦九段、本田奎六段を破り、決勝戦では再び永瀬王座と激突。激戦を制し初の叡王挑戦を決めた。振り飛車の可能性を追求し続ける棋界屈指の研究家で、6年ぶりのタイトル獲得に大きな期待が寄せられている。
今期は、藤井叡王に振り飛車党の菅井八段が初挑戦する“対抗形シリーズ”。これまでの3局では三間飛車が志向され、それぞれ先手番で白星を飾っている。5月6日に行われた第3局では、相穴熊戦から菅井八段が四間飛車に振り直す工夫を見せると、攻め合いへ発展。挑戦者がペースを握りリードを拡大させていったが、一分将棋の中で藤井叡王が逆転。一気に突き放して防衛・3連覇に“王手”をかけた。
岩手県宮古市の「浄土ヶ浜パークホテル」で行われる運命の一局を制するのはどちらか。持ち時間は各4時間、先手番は菅井八段。ABEMAではこの対局を終了まで生放送する。
(ABEMA/将棋チャンネルより)