新型コロナウイルスによる数々の制限を経て、運動不足を解消しようとする人が増えている。そんな中、国民生活センターがある注意を呼び掛けた。それが“パーソナル筋力トレーニングでのけが“だ。
主に運動不足解消やダイエットなどを目的とした筋力トレーニングを中心としたもので、被害に関する相談は2017年度以降の約5年間で105件あった。なかには“専門知識を持たないと思われるトレーナー”から指導を受け「腰痛が悪化した」などの声が寄せられていて、4人に1人は治療に1カ月以上を擁し、神経・脊髄の損傷、筋・腱を損傷した人もいるという。
プロからの指導であるはずなのにけがをする。こうした状況について、経済アナリストの森永康平氏は次のように話す。
「プロとは言うものの、パーソナルトレーニングのトレーナーは医者や弁護士のような“資格”はない。専門的な知識を持たない人でも、自宅を改装して指導できる場合もあるということだ。そうしたなかで、自分に合わない負荷のままトレーニングを続けてしまい、けがをすることは大いにありえるだろう。
一度のけがでも取り返しのつかないケースもあるはずだ。自分自身でもトレーニングや減量の基礎知識をつけておくことが大事だと思う。その上で『合わないトレーニングをやらされているな』と思ったら、適宜トレーナーに相談するほうがいいだろう」
また、国民生活センターはパーソナル筋力トレーニングを行う消費者・事業者双方に向けて、以下のようなアドバイスを呼びかけている。
【消費者へのアドバイス】
・運動習慣などの調査。体力テストが実施された上でトレーニングプランが作成されることを確認。
・トレーニング中に違和感を覚えた時は、無理せず中断する。
・異常な痛みを感じたり、体調が悪くなったときはトレーナーなどに伝えた上で、必要な場合は医療機関を受診
【事業者への要望】
・指導を受ける消費者にあったトレーニングプランを作成
・指導するトレーナーが安全管理を行い、個々の消費者に適切な運動強度でのトレーニングを実施
・トレーナーの質が確保される仕組み作り
こうしたアドバイスを受けて森田氏は「そもそもの目的を確認することも大事だ」として考えを述べた。
「まず自分が何をやりたいのか、そして、トレーニングに通うのであればパーソナルトレーナーが目的に沿ったメニューを組んでくれているのか確認するべきだ。トレーニングは、『痛ければ効いている』ではない。これ以上に被害が増えるようであれば規制が必要になる可能性もあるのではないか。十分注意してトレーナーを選ぶようにしたほうがいいだろう」
(『ABEMAヒルズ』より)
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