好きに決めて!って、そんなことあるかい!なんとも関西のノリだ。将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2023」予選Cリーグ第2試合、チーム天彦とチーム菅井の対戦が6月3日に放送された。リーダー菅井竜也八段(31)、西川和宏六段(37)、船江恒平六段(36)のチーム名は「関西最強」。控室でも他のチームを圧倒するような会話量でチームだけでなく大会全体を盛り上げている。それはチームが劣勢に追い込まれても同じこと。スコア1-4と敗退寸前の状態でもジョークを飛ばし、ファンから大反響を得ることとなった。
第1局から4連敗し、第5局こそ1つ返したものの、なおカド番。なかなか気持ちを奮い立たせるのも難しいところだが、とにかくこのチームは明るい。西川六段が3局戦い抜き、第6局は菅井八段か船江六段の2択。ここで菅井八段がスッと2枚の顔入りパネルをスッと手に取ると、西川六段に向けて「はい、どっちか引いて!」と、くじ引きかババ抜きでもするかのように差し出した。これには西川六段も「そういう感じなんですか…?」と笑いながらも困惑。それでも言われたままに引くと、船江六段の顔入りパネルだった。
「では、船江さんで」とならないあたりがチーム菅井だ。すぐさま菅井八段は「いや、俺が行くし!」と突然の立候補。さらには「そこは(自分を)引いてくれないと(笑)」と、西川六段に向かって口を尖らせた。もともと自ら行く気満々だったところ、あえて引いてもらっただけというオチ。これにはチーム一同大笑いとなると、視聴者からも「おもろすぎやろ」「元気出てきたな」「出たいんじゃないかw」「何やこの茶番w」と笑いとツッコミが殺到した。
なお立候補した菅井八段だったものの相手のリーダー佐藤天彦九段(35)との勝負には惜敗。チームはリーグ戦を1勝1敗、得失点は-3で終了し、予選突破は第3試合のチーム天彦とチーム広瀬の結果次第となった。この明るいやりとり、本戦でも見られるかどうか。
◆ABEMAトーナメント2023 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり、今回が6回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士14人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全15チームで行われる。予選リーグは3チームずつ5リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)