5月30日にエスコンフィールドHOKKAIDOで行われたセ・パ交流戦、北海道日本ハムファイターズ対東京ヤクルトスワローズの一戦で、2打席連続のアーチを放ち、本塁打王争いで単独トップに躍り出るなど、日本ハムの主砲として大ブレイク中の万波中正。その長打力については、ブレイク前からしばしば話題となってきた。
【映像】どこまで飛ぶんだ!? 日ハム・万波の“驚愕のパンチ力”
昨年、「パーソル パ・リーグTV」が配信した動画について、その視聴数を選手別に集計したところ、年間ランキング6位に入ったのは、万波が2軍の東京ヤクルトスワローズ戦で放った“驚愕アーチ”。この本塁打は、ヤクルト・嘉手苅浩太が投じた真ん中高めの球に、体勢を崩されたような形となり、打球自体もやや詰まらされたかのように見えたものの、その実、この打球はぐんぐんと伸びて、センターバックスクリーン右へと飛び込む特大弾に。
これには、試合の行われた鎌ヶ谷スタジアムをよく知る元・千葉ロッテマリーンズの野球解説者・里崎智也氏から、鎌ヶ谷スタジアム特有の打球が伸びるという、通称“鎌ヶ谷劇場”と呼ばれる現象ではないかという、やや厳しい指摘もあったものの、出演者一同、大変驚いた様子を見せていた。昨季、1軍の公式戦で万波は、100試合の出場で14本塁打を放ったものの、打率2割3厘、112三振と確実性に欠けてはいたが、今季は確実性という意味でも成長が見られ、また独特な勝負強さも手伝ってか、前出・5月30日の試合のように、万波が試合を決めるというシーンもしばしば見られるようになった。
そんな万波の“成長”を感じさせた場面の1つが、4月26日にエスコンフィールドHOKKAIDOで行われたオリックス戦でのひとコマ。実はそのシーンというのは、万波が放った打球が、2打席連続でボールボーイの待機所付近を襲うという、珍しいプレーとして話題となったものだが、いずれの打席においても万波は、オリックス先発・田嶋大樹の投じた失投を見逃さずに捉え、三塁線を破る鋭い打球でタイムリーにしているのだ。つまり、この珍しいプレーは、成長した万波であるからこそ生まれたものであると言っても過言ではないだろう。
2打席連続のアーチを放った5月30日のヤクルト戦と同様、昨年4月17日に行われた千葉ロッテマリーンズ戦では、延長10回に飛び出した万波の勝ち越しソロ弾だけで、日本ハムが勝利したことが話題となったが、やはりこうした“一振りで決める”という万波の打撃は、まさに主砲と呼ぶに相応しいもの。日々進化と成長を続ける万波が、今季、どこまでその才能を開花させ、活躍することとなるのか、我々もじっくりと見守りたいところだ。