6月1日にZOZOマリンスタジアムで行われたセ・パ交流戦、千葉ロッテマリーンズ対読売ジャイアンツの一戦の試合前、ロッテ・澤村拓一が、今季から新トレードマークとなり、おなじみのワイルドなヘアスタイルから、まさかの“刈り上げヘア”となった姿を披露し、ファンを驚かせることとなった。
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澤村は、この“イメチェン”について特に理由を説明することはなかったが、31日に行われた試合で、4-4の同点で迎えた8回表に4番手として登板するも、巨人の若き4番・岡本和真と、5番・中田翔にまさかの2者連続弾を浴びて3失点。無念の敗北を喫していたことが大きく関係していると推測する声がネット上でも目立つこととなった。
澤村といえば、3年ぶりに古巣・ロッテへの復帰となった今季は、ワイルドなヘアスタイルに加え、“ドヤ顔&腕組み”ポーズが注目を集め、さらには関連グッズまで発売されるという、人気ぶりとなっているが、実はこのポーズについても澤村は、以前、ロッテの公式YouTubeチャンネルに投稿された動画の中で、そこに込めた想いを訊ねられると、「いや、特にないですよ、別に。アロザレーナの真似をしているだけで。」と嘯くように語っていたが、その一方で澤村は、試合に懸ける自身の想いやスタンス、チームメイトへの想いなども語る中で、「こうしなくちゃいけないとか、ああしなくちゃいけないって、チームのみんなに思って欲しくないので、喜怒哀楽をどんどん出しても良い」「1試合に賭ける気持ちというものを、どんどんチームのみんなが出して欲しい。」と、先入観や固定観念に囚われずに、「自分」というものを積極的に出していくこと、さらには1試合1試合に懸ける気持ちを出せるようになることを期待している旨を語った上で、「それが出るようになったら、やめます。僕もパフォーマンスは。」と笑っていた。つまり、こうした澤村ならではのアツい想いがあるがゆえに、自らその旗振り役として、あの“ドヤ顔&腕組み”ポーズをはじめとするパフォーマンスをしていたと考えられるのだ。
そんな澤村は、5月30日に行われた巨人戦で、“同級生”である坂本勇人と実に白熱した対戦を見せたが、その際、坂本に一発こそ打たれなかったものの、四球で歩かれている。8回で1点リードという場面での登板であったことを思えば、坂本を走者に出すという結果は、セットアッパーとして「満点」であったかといえば、そうでないかもしれないが、この日の澤村の投球からは、その場で燃え尽きてしまうのではないかと感じるほどの、独特な気迫が満ち溢れていた。少なくとも、澤村が言うところの「1試合に賭ける気持ち」は全力で伝わってくる投球であったといえるだろう。
その後、前述の通り澤村は、翌日の試合で連続被弾を許して炎上、さらに6月3日に行われた阪神タイガースとの一戦でも2失点となった後で、出場選手登録を抹消されることとなったが、この抹消について吉井理人監督は、「本人から、“時間をくれればもう一度、調整できます”という。こっちもその準備はしていたので、“一回、間を開けようか”となった。」と、澤村自身の“志願”による抹消であったと明かした上で、「メジャーから帰ってきていろんな事を背負って頑張っていた。良いリフレッシュ期間にしてほしい。」と、その捲土重来に期待する形でコメントしているが、その言葉には、アツい想いでチームを牽引してきた澤村への評価と信頼が窺えることは言うまでもない。
現在のところ、澤村の復帰がいつになるかは定かでないが、ロッテがチーム全体として進化し続け、優勝するには、やはり澤村と、彼のアツい想いは必要不可欠。多くのファンが見守る中で、澤村が再びシビレる勝負を披露する日が訪れることに期待したい。