将棋の順位戦B級1組1回戦が6月15日に行われ、羽生善治九段(52)が大橋貴洸七段(30)に96手で勝利した。羽生九段は6月9日に日本将棋連盟会長に就任。将棋界の顔としてはもちろん舵取り役としても大きな期待が寄せられる中、B級1組の開幕戦で強豪・大橋七段から逆転で“会長”初戦を白星で飾った。
羽生九段がB級1組開幕戦と“会長”初戦を白星で飾った。対するは3期連続昇級で勢いに乗る大橋七段。後手番の羽生九段から角を交換し、戦型は「角換わり」と決まった。大橋七段が早繰り銀から先攻を仕掛けると、羽生九段も同様の進行を見せて相早繰り銀に。羽生九段は、終局後に「出だしは前例のある形で、それに沿って指していた。端を攻められたあたりからどうなるかわからないまま2筋、3筋の圧力がきつく、まとめづらくなってしまったと思っていた」と振り返っていた。
中盤戦では、大橋七段がペースを掌握。快調な攻めでリードを拡大させていった。このまま押し切るかと思われていたが、受けに回った羽生九段の勝負手が功を奏して逆転に成功。終盤では玉の早逃げ、飛車が大きく旋回する鮮やかな指し回しを見せ、羽生九段が勝利を飾った。
この結果、羽生九段はリーグを白星発進。「良いスタートが切れてよかった。長丁場なので、まだまだこれからだと思っています」とA級復帰に向けて着実な前進を見据えていた。さらに、本局は会長就任後の記念すべき一局。初陣を白星で飾った感想を問われると、運営に携わっている時間と対局している時間はずいぶん違うなという感覚があります」と振り返っていた。次戦では澤田真吾七段(31)との対戦が予定されている。
一方、大橋七段はB級1組初戦で黒星。“鬼の住処”と呼ばれる強敵揃いのリーグ初参戦で、“レジェンド”からその厳しさをたたき込まれる結果となり、悔しそうな表情を浮かべていた。2回戦ではベテランの屋敷伸之九段(51)と対局する。
(ABEMA/将棋チャンネルより)