大事な戦いの期間、なぜか姿が見えなくなった理由は後から明かされた。プロ麻雀リーグ「Mリーグ」TEAM雷電のスター選手・萩原聖人(連盟)は、ファイナルシリーズ進出をかけた大事な戦い、セミファイナルシリーズになかなか出場しなかった。理由は体調不良で、しかも入院していた。「(入院は)10日ぐらい。2週間って言われたけど、いやだって言った(笑)。4~5キロくらい痩せたね」。俳優とMリーガーの二刀流で超多忙な日々を送る中、入院での一時離脱は実に歯がゆかったことだろう。ただ病室で見ていた仲間たちの戦いぶりは実に頼もしく、そしてより気持ちが強くなった。「僕を勇気づけるような麻雀を3人がずっと打ち続けてくれました」。戦いの場に戻ってきた萩原の顔は、これまでとは違う充実感を帯びていた。
Mリーグ初年度から俳優としても活躍しつつ、Mリーガーとして奮闘してきた萩原だが、少なくともMリーグの舞台は試練続きだった。2021-22シーズンはチームとしても記録的な大敗で最下位に沈み、レギュラーシーズンで敗退。2022-23シーズンはファイナルに進出しなければ、チーム構成を変更しなくてはいけないルールの中での戦いだった。初年度から戦う瀬戸熊直樹、黒沢咲(いずれも連盟)はもちろん、2021-22シーズンから加入した本田朋広(連盟)との4人とは、苦しい時間を共有したからこそ、いい成績を残して喜び合いたいという気持ちも強かった。
2022-23シーズンも、俳優として映画や舞台に出演し、収録や公演を終えた後にそのままMリーグスタジオに駆けつけることもあった。体力的には、正直しんどい。それでも「チームがその状況を理解してくれている。口には出さないけれど、なんとか僕を盛り上げたいみたいなことを思ってくれているのは、すごく伝わっています。なかなか成績が振るわないのは歯がゆいですけど、舞台があるからMリーグはちょっと(行かない)という気には全然ならないです」と、強い気持ちに陰りは見えない。もちろん5年目を迎えれば慣れも出る。ただ、そう思わないようにも努めている。「(俳優・Mリーグを両方)やりたくてもやれない場合もあるでしょうし、両方やらせてもらえることを幸せに感じながらです」と微笑んだ。
そんな萩原が急にMリーグの舞台から消えたのだから、ファンも驚いた。俳優業が忙しいかと思われたところ、自身のInstagramで体調不良による入院を公表。それでも入院中から監督やチームメイトと復帰戦のタイミングを相談するなど試合出場への強い意欲を見せると、チームのオンラインパプリックビューイングが開催される日に復帰。病み上がりながら堂々の2着を取ると、チームもスターの帰還を祝うように初のファイナル進出を果たし、ファイナルでも3位に食い込んだ。
TEAM雷電は2023-24シーズンも、同じ4人で戦うことを発表した。ファイナル進出という目標をクリアし、次はもちろん優勝を見て戦う。「雷電の麻雀はおもしろいんです!」。ステージ上で優勝シャーレを手にした後、4人でポーズを決める姿を、萩原は今から思い描く。
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズンを戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。さらに上位4チームがファイナルシリーズに進み優勝を争う。優勝賞金は5000万円。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)






