【スーパーフォーミュラ】第5戦(決勝・6月18日/スポーツランドSUGO)
他車に追い抜きをかけるオーバーテイクは、レースの大きな見どころ! 国内最速の「スーパーフォーミュラ」第5戦でも痺れるようなオーバーテイクを何度も見ることができた。
そのなかでも特に印象的だったのは、宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)が大湯都史樹(TGM Grand Prix)をオーバーテイクしたシーン。予選は、大湯に惜しくも0.031秒差で敗れた宮田。その悔しさを晴らすように、決勝ではトップの大湯を追い詰めた。
12周目に宮田はチームに「大湯はOTS使った?」と確認。OTSとは、一時的にエンジンをパワーアップする「オーバーテイクシステム」のこと。OTSは、レース全体を通して200秒間使うことができるが、SUGOでは一度使用すると110秒のインターバルタイムが必要になる。
宮田は、大湯がOTSを使用済みでしばらく使えないことを知ると、12周目の後半セクションからOTSを使用して一気に加速! そのままストレートで大湯を抜き去ることに成功した。
ストレートで記録された宮田の最高速は、なんと約285km/h! OTSが使えなかった大湯は約275km/hだったので、その速度差は約10km/hもあった。「なんだ、10km/hしか違わないの?」と思うかもしれないが、最高速が10km/h違えば、レースの世界ではラップタイプは圧倒的に開いてしまう。0.1秒、0.01秒の差で争うSFでは、ガラッと戦況が変わってしまうというわけだ。
鮮やかな首位逆転劇に「リトモキター」「ナイスりとも」とABEMA視聴者も大絶賛。これからも宮田の快進撃から目が離せなさそうだ。
(ABEMA『スーパーフォーミュラ2023』/(C)JRP)