チーム糸谷、大熱戦のフルセットで逆転勝利!糸谷哲郎八段「粘り強く戦っていきたい」次戦勝利で本戦進出決定/将棋・ABEMAトーナメント
【映像】フルセットの大熱戦を振り返るチーム糸谷とチーム康光

 将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2023」予選Dリーグ第2試合が6月24日に放送された。佐藤康光九段(53)率いるチーム康光と糸谷哲郎八段(34)率いるチーム糸谷の対戦は、フルセットにもつれる大接戦に。最終スコア5勝4敗でチーム糸谷が勝利し、本戦進出に一歩前進した。次戦、エントリーチームとの第3試合を制し本戦進出を期する糸谷八段は、「粘り強く戦っていきたい」と気を引き締めていた。

【映像】フルセットの大熱戦を振り返るチーム糸谷とチーム康光

 チーム糸谷にとって今期の初となるこの試合では、第1局にリーダーの糸谷八段を投入。チーム康光の勝ち頭でもある大橋貴洸七段(30)との角換わり早繰り銀の一戦に、圧巻の勝負術を駆使して逆転勝利を飾った。第2局ではフィッシャールールへの高い適性が光る森内俊之九段(52)が登場。高見泰地七段(29)との相掛かり戦となったが、中盤の折衝で抜け出した高見七段が勝利し、1-1の仕切り直しとなった。

 勝負所の第3局では、デビュー以来高勝率で注目を集め大会初出場となった徳田拳士四段(25)が出陣。初手合いとなる相手リーダーの佐藤九段との対戦に向かった。「子供の頃からの憧れ」と語ったレジェンドとの一戦は、佐藤九段が向かい飛車に。終盤では桂馬が乱舞する大熱戦となり、125手で徳田四段が嬉しい大会初勝利を飾った。ここでリードを広げたいチーム糸谷は、第4局で再び森内九段を投入。第2局と同カードの高見七段戦となったが、見事リベンジを果たした。

 全員が白星を手にし3ー1とリードを奪って後半戦へ向かったが、ここからチーム康光の大橋七段、高見七段が奮起。2人に3連敗を喫し、チーム糸谷は逆にカド番に追い込まれることに。絶対に負けられない第8局では、佐藤九段VS糸谷八段のリーダー対決となり、角交換振り飛車の激しい戦いが繰り広げられた。佐藤九段が駒得となったが、糸谷八段が終始冷静に対応。竜と桂馬を軸に寄せ切って104手で勝利を飾り、最終局へ望みをつないだ。

 いよいよ迎えたフルセットの第9局は、公式戦同一対戦カード記録歴代18位の75局を対戦し、数々の名勝負を繰り広げてきた佐藤九段と森内九段のレジェンド対決に。第3、4回大会ではチームメイトとして戦った両者に運命の最終局がゆだねられた。振り駒の結果、先手はチーム糸谷の森内九段に。ABEMAトーナメントでの初対戦は、佐藤九段は早々に端歩を突いたのち△9四飛、△2四飛と“佐藤ワールド”を展開。大乱戦にも森内九段は動じることなく、冷静な対応を見せてペースを握った。序盤で佐藤九段にミスが出て優位に立った森内九段だったが、佐藤九段も決め手を与えない粘り腰を見せ終盤は大混戦に。森内九段がギリギリで逃げ切り、171手でチーム勝利を決めた。

 フルセットの大接戦を制しチーム勝利を得た糸谷八段は、最終局に勝利した森内九段へ「本当にありがとうございます!」と感謝。厳しい戦いを潜り抜けたとあり、「勝ったら予選突破くらいの勢いで挑んでいたのでもう一戦あるのが辛いんですけど、必勝を期して粘り強く戦っていきたい」と本戦進出に向けて気を引き締めていた。

◆ABEMAトーナメント2023 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり、今回が6回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士14人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全15チームで行われる。予選リーグは3チームずつ5リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
ABEMA/将棋チャンネルより)

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