“連投の申し子”大橋貴洸七段「最低限の仕事できた」 2試合連続での連投連勝にチームメイトも大歓喜/将棋・ABEMAトーナメント
【映像】フルセットの大熱戦を振り返るチーム糸谷とチーム康光

 色鮮やかなスーツに、連投連勝で手にした白星が映えた。将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2023」予選Dリーグ第2試合、チーム康光とチーム糸谷の対戦が6月24日に放送された。公式戦での将棋同様、青、緑、紫とカラフルなスーツでファンを魅了する大橋貴洸七段(30)が、チーム康光の勝ち頭として大躍進。2戦連続で連投連勝を飾り、チームに大きく貢献した。

【映像】フルセットの大熱戦を振り返るチーム糸谷とチーム康光

 独特のファッションセンス同様、大橋七段の大躍進が光った。深紅と深緑のセットアップで予選リーグに挑んだ大橋七段は、エントリーチームとの第1試合で開幕局&第2局で連勝。居飛車・振り飛車を自在に指しこなす器用さ、研究の深さでチーム勝利に大きく貢献した。

 チーム糸谷との第2試合でも先を切ったものの、相手リーダーの糸谷哲郎八段(34)の変幻自在な差し回しに圧倒され黒星発進に。しかし、1-3のピンチで迎えた第5局を任されると、新進気鋭の徳田拳士四段(25)を相手に最新型の角換わり戦法をぶつけた。互いに簡単には崩れない手堅い差し回しで形勢は二転三転。手に汗握る大激戦となったが、大橋七段は着実に勝利へとにじり寄り、116手で勝利。解説者の佐藤紳哉七段(45)からも「屈指の名局」の声が上がっていた。

 続く第6局では、リーダーの佐藤康光九段(53)から「疲れていなければ」と促されると、さわやかな笑顔で連投を快諾。「出せるものを出していきたい」と敵将・糸谷八段との再戦に向かった。勝てば星が並ぶ重要な一局は、大橋七段の先手で角換わりの出だしに。相手の銀をおびき出すと、後手陣に圧をかけて封じ込めに成功した。劣勢に追い込まれた糸谷八段は起死回生を図るべく攻め込みを決断したが、大橋七段は冷静に対応。そのまま押し切って83手で完勝を飾ってみせた。

 連投連勝で3-3と星を戻し、チームのピンチ脱出成功を果たした大橋七段は、「個人的には2勝1敗で終えることができたので、最低限の仕事はできた」とホッとした表情。大きな戦果を手に仲間の元へと戻ると、リーダーの佐藤九段からは「連投を物ともしない見事な差し回し」、高見泰地七段(29)からが「連投の申し子!」と大絶賛を受けていた。

◆ABEMAトーナメント2023 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり、今回が6回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士14人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全15チームで行われる。予選リーグは3チームずつ5リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
ABEMA/将棋チャンネルより)

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