技術の発展とともに日々進化しているVTuber。2021年に市場規模が2000億円を突破し、5年後にはこの10倍以上になる予測も出ている。
【映像】胸キュン必至…話題のVTuber・ときのそらの“ガチ恋”距離(画像あり)
Twitterに投稿されたある動画を見ると、VTuberが現実の世界で人間と一緒にジャグリングをする姿があった。ジャグリングを行っていたVTuber・三珠さくまるさんは「仕掛けは秘密」とした上で「VTuberが現実に出てくる動画は増え始めている」と話す。
他にも、2人組VTuber「アイマイン」はAI技術を活用した「AITuber」だ。ユーザーのコメントに答えているのは人ではなく、AIが自動で答えているという。「アイマイン」の開発者でPictoria代表の明渡隼人氏は「AIにはあらかじめ世界観やキャラクター設定を入れることができる。キャラクターと直接しゃべる体験に近づいていける」と答える。
そんな中、大手VTuber事務所を運営する「カバー」が今年3月3日、東証グロース市場に上場。5月には、より質の高いコンテンツを提供すべく、総工費27億円をかけ、国内最大規模の新スタジオを設立した。
ニュース番組「ABEMA Prime」では、同社の新しいモーションキャプチャースタジオを取材。スタジオに行くと、モーションキャプチャー用の専用カメラが100台以上設置されていた。人や物に取り付けたマーカーの位置を専用カメラで計測し、VTuberの配信にも活用しているという。
専用カメラは最新型かつ超高精度だ。同社のテクニカルプロデューサーに話を聞くと「カメラの台数が増えれば増えるほど、処理能力はアップする。人が増えてもきれいに撮れるようになる。指の動きが速くなっても、よりきれいに撮れるようになった」とコメント。
VTuberやアバターなどのバーチャルコンテンツは、社会にどのような変化をもたらすのか。
2017年から活動しているVTuber・ときのそらさんは「最初の頃は全く認知もされていなかった。『誰?』と言われることもすごく多かった」と振り返る。
「6年経って、いろいろなところでVTuberがいることが当たり前になった。スタジオもすごく充実してきて、いろいろなことがどんどん楽しくできるようになった。変化はすごく感じる」
リアルなタレント・アイドルとの違いについてどう思っているのか。
「一番の違いは、リスナーとコミュニケーションを取って共感できる時間が多いことだと思う。私たちの活動場所はYouTubeがメインなので、自分のタイミングで配信をする。配信をしたら応援してくれる人が私たちにYouTubeから会いに来れる。なかなかリアルでは難しいと思う」
VTuberの今後の可能性について「より生活の中に私たちがいることが普通になる。そういう世の中が来るのではないか」と話すときのそらさん。「これからもっといろいろな方に知っていただけるようになったら、リアルの人との境界線がなくなると思う。YouTubeがなくなったとしても、他の配信場所がいろいろある。私はリアルライブもやっているので、配信以外の活動もできるかなと思っている。みんなでできることの幅が広がったらいいなと感じる」と語る。
2025年大阪・関西万博大阪パビリオンディレクターの佐久間洋司氏は「VTuberはバーチャル空間にいるから、東京とサンフランシスコを繋いで同時に共演してゲームができたりする。同じ空間にいることを実現できる良さは以前からあった。一方で、6人以上の多人数で一緒にライブなどはすごく難しい。カバーさんの新スタジオではものすごい人数で、3Dでもイベント配信ができる。難しいと言われていた部分をカバーさんが乗り越えていって、今後も新しい技術が作られると思う」と話す。
仮に民間企業のYouTubeがなくなっても、コンテンツは持続できるのか。佐久間氏は「今VTuberはラジオのコンテンツにもなっている。例えば、ときのそらさんのアイデンティ自体はファンの中で形成されている。おそらくテレビになろうが、ポッドキャストになろうが、急にYouTubeのシステムが変わったからとしてもなくならないだろう」と述べた。
(「ABEMA Prime」より)
■Pick Up
・「ABEMA NEWSチャンネル」がアジアで評価された理由
・ネットニュース界で話題「ABEMA NEWSチャンネル」番組制作の裏側