この山を登った先で待つ恩人に、強い自分の姿を見せたい。Mリーガー、各プロ団体推薦者が出場する「Mトーナメント2023」予選2ndステージのA卓が7月3日に行われ、坂本大志（最高位戦）が首位で決勝トーナメントへと駒を進めた。試合後のインタビューでは疲労の色を見せながらも、これから登場する恩人・多井隆晴（渋谷ABEMAS・RMU）との対戦を熱望した。
第1試合は東家から坂本、醍醐大（最高位戦）、河野高志（RMU）、山脇千文美（連盟）の並びで開始。坂本は東2局1本場、まさかの空ポンでアガリ放棄に。その後はアガリを掴みトップ目に立つも、河野に満貫を放銃するなどしてラス目へ転落した。
しかし坂本にはまだここから立ち直るチャンスが待っていた。1万3400点持ちに沈んでいた南2局1本場、中と3筒のシャンポンでテンパイ。赤が3枚、さらに456の三色同順が確定したオバケ手牌だ。「3筒が出て8000点ではちょっとしょっぱいな、あの点数（1万3400点）だと」という理由でこれをリーチ。一発で高目の中を引き、リーチ・一発・ツモ・中・三色同順・赤3の1万6000点（＋300点）をゲットだ。さらに南4局2本場は發・混一色・赤・ドラ2をカン4筒でテンパイ、これをすぐにツモって、1万2000点（＋600点）でトップを獲得した。
第2試合は山脇、河野、坂本、醍醐の並び。南2局1本場、坂本は河野の親リーチに対して6・9筒のダマテン。高目の6筒が河野から打たれ、タンヤオ・平和・赤・ドラの8000点（＋300点）。これでトップ目に立つと、最終局の南4局1本場は山脇のリーチに一発で差し込み、首位通過を決めた。
「アガリに行ったところでアガリが取れたので、それが大きかったですね。最後も山脇さんに差し込めるだけの余裕もありましたし」と試合内容を振り返った。予選2ラウンドを経て、いよいよ決勝トーナメントだ。坂本は恩人である多井の名を挙げて「10年以上前から研究会とかでお世話になって、恩があるので、一緒に対戦して強くなったというところを見せたいなと思っています」。
団体の垣根を越えて、日々多くのプロと研究に勤しむ坂本には、その身に届く応援の声も大きい。「すごく応援してくれる人が多くて、その声援に応えるために『今日もしっかり全力を尽くして、絶対勝ち上がってやろう！』という意気込みで来ました。内容は見返さないとわからないんですが、いくつかミスはありましたので、その辺を反省して次に備えてしっかりベストを尽くしたいと思います」と抱負を述べた。
かつて自団体のビッグタイトル・最高位（第44期）を獲得した実力者が、その強さを遺憾なく発揮。恩人にその成長を見せつけることができるか、声援と期待はさらに高まるはずだ。
【第1試合結果】
1着 坂本大志（最高位戦）4万1300点／＋61.3
2着 山脇千文美（連盟）3万点／＋10.0
3着 河野高志（RMU）2万3700点／▲16.3
4着 醍醐大（最高位戦）5000点／▲55.0
【第2試合結果】
1着 山脇千文美（連盟）3万8000点／＋58.0
2着 坂本大志（最高位戦）2万7300点／＋7.3
3着 河野高志（RMU）1万9400点／▲20.6
4着 醍醐大（最高位戦）1万5300点／▲44.7
【最終結果】
1位 坂本大志（最高位戦）／＋68.6
2位 山脇千文美（連盟）／＋68.0
3位 河野高志（RMU）／▲36.9
4位 醍醐大（最高位戦）／▲99.7
※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会
◆Mトーナメント プロ麻雀リーグ「Mリーグ」初となる冠大会で個人によるトーナメント戦。現Mリーガー32人と元Mリーガーやタイトルホルダーなどプロ5団体からの推薦者20人、計52人で行われる。Mリーグの昨シーズン優勝チーム所属の4選手は、ベスト16からのシード出場となる。全試合「Mリーグルール」で行われ、予選は1stステージ、2ndステージ、ファイナルステージに分けて行われ、それぞれ2位までが次のステージに進出。セミファイナル（ベスト8）、ファイナルを経て優勝者を決める。
（ABEMA／麻雀チャンネルより）
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