窮地から復活、最後には勝つのがヒーローだ。Mリーガー、各プロ団体推薦者が出場する「Mトーナメント2023」予選2ndステージのE卓が7月10日に行われ、滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部・連盟)が逆転勝利で2位通過。連盟で最も強いと称されるHIRO柴田(連盟)を撃破した。
第1試合は東家から岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ・連盟)、滝沢、柴田、松ヶ瀬隆弥(EX風林火山・RMU)の並び。滝沢は「内容が悪かった」と後に語るように序盤から失点が続き、南3局1本場を迎えて-3400点の箱ラス状態。しかしこの局ではリーチ・一発・ツモ・平和・三色同順・ドラ・裏ドラの1万2000点(+300点)をゲットし地上へ復帰した。この試合はラスで終えるも、次戦に向けてファンの期待は高まった。
第2試合は東家から松ヶ瀬、柴田、滝沢、岡田の並びでスタート。この試合も滝沢は抜け出すチャンスを掴めず低空飛行。南3局の7700点で回復するも、オーラスを迎えて2万2500点持ちのラス目。まさに絶体絶命、しかしトップ目松ヶ瀬まではわずか3900点差と近い。柴田が先にテンパイを入れるも、終盤に滝沢も4筒と7索のシャンポン待ちで追いついた。ロンの場合は一発が求められるという険しい条件だったが、これを滝沢はリーチ。ファンは「よっしゃー!」「決めろ!!!」「ゴォー!!!」と背中を押した。すぐさま岡田が掴んだのは4筒、これをツモ切り、滝沢はリーチ・一発・タンヤオの5200点を獲得。実況の日吉辰哉(連盟)は「一発じゃなきゃダメだった、こんな奇跡あるかよ!?」と声を枯らす。初戦ラス、この試合もラス目で絶体絶命だったヒーローが最後の最後で決勝トーナメントへの扉をこじ開けた。
インタビューで滝沢はオーラスを振り返り「一発じゃなきゃ見逃そうと思って、いろいろ整理していたところだったんですけど、一発でたまたま話聞いたら岡田さん7索も浮いてたっていうから、最後だけ決まったのかなみたいな」と、端正なルックスをほころばせた。
チームからの勝ち上がりは滝沢ただ一人となった。「チームを背負ってはいないんで」と笑いを誘い、また「ファンの方は結構応援してくださるんでそのために」と“がらくたポーズ”でチーム愛ものぞかせた。強豪・柴田を破ったことについては「柴田さんのファンの人は『滝沢じゃねえだろ、柴田だろう』という人も中にはいると思うんですよね。そういう気持ちでしっかり打たなきゃなと」と、次戦に向けて気を引き締めた。一時は箱割れ、ピンチに見舞われた第1試合の入り方を反省、次に向けては「しっかりやります!」と修正を誓った。負けた選手はもちろん、そのファンの思いも背に、ヒーローが頂を目指す。
【第1試合結果】
1着 松ヶ瀬隆弥(EX風林火山・RMU)3万9000点/+59.0
2着 HIRO柴田(連盟)2万4900点/+4.9
3着 岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ・連盟)2万4200点/▲15.8
4着 滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部・連盟)1万1900点/▲48.1
【第2試合結果】
1着 滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部・連盟)2万7700点/+47.7
2着 松ヶ瀬隆弥(EX風林火山・RMU)2万6400点/+6.4
3着 HIRO柴田(連盟)2万5800点/▲14.2
4着 岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ・連盟)2万100点/▲39.9
【最終結果】
1位 松ヶ瀬隆弥(EX風林火山・RMU)/+65.4
2位 滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部・連盟)/▲0.4
3位 HIRO柴田(連盟)/▲9.3
4位 岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ・連盟)/▲55.7
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mトーナメント プロ麻雀リーグ「Mリーグ」初となる冠大会で個人によるトーナメント戦。現Mリーガー32人と元Mリーガーやタイトルホルダーなどプロ5団体からの推薦者20人、計52人で行われる。Mリーグの昨シーズン優勝チーム所属の4選手は、ベスト16からのシード出場となる。全試合「Mリーグルール」で行われ、予選は1stステージ、2ndステージ、ファイナルステージに分けて行われ、それぞれ2位までが次のステージに進出。セミファイナル(ベスト8)、ファイナルを経て優勝者を決める。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)






