<大相撲七月場所>◇三日目◇11日◇名古屋・ドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)
幕下三十一枚目・吉井(時津風)と幕下二十九枚目・一翔(立浪)の一番で、寄り切られて背後から土俵下に落下した吉井のお尻が、あろうことか、意図せずに元横綱・稀勢の里である二所ノ関親方の顔の前へ。思わぬハプニングにファンから拍手と笑いが起こり、館内は和やかな雰囲気に包まれた。当の若手力士たちは「す、すみません」とばかりにすかさず一礼。恐縮しきりだったが、嫌な顔一つ浮かべなかった二所ノ関親方の器の大きさ、おおらかさに対して「稀勢の里ニッコニコやんけ」といった声も寄せられた。
1敗同士の対決となった一番。立ち合い、下手を引こうと飛び込んだ一翔に対して、吉井は力強く突き放す。その力の強さに後退りした一翔だったが、一瞬の隙を突いて吉井の懐に飛び込んで頭をつけると、一気の寄りで2勝目を挙げた。敗れた一翔は1敗目(1勝)を喫した。
背後から土俵下に落下した吉井は、勢いそのままに審判員を務めていた二所ノ関親方に接触。勢いはさほどなかったが、意図せずお尻から突っ込んでしまったため、館内は「おぉ~」というざわめきの後、笑いと拍手で和やかな雰囲気に包まれた。
何事かと振り返った一翔と吉井は、事態を把握すると慌てて「す、すみません」といった様子で親方に向かって一礼。思わぬ被弾を受けた二所ノ関親方は嫌な顔一つせず、その場に座りなおすと、続く取組の前に、にこやかな表情を浮かべた。そんな二所ノ関親方の人柄に取組を中継したABEMAファンからは「稀勢の里ニッコニコやんけ」といった声が寄せられた。
惜しくも敗れた吉井は元中学生横綱。16歳で幕下へのスピード昇進を果たした期待の若手力士だ。昨年の七月場所は7戦全勝で幕下優勝を果たしており、相性の良い七月場所でのさらなる飛躍が期待されている。(ABEMA『大相撲チャンネル』)