日本代表の新キャプテンに就任した遠藤航にとって“体”はなにより重要だ。ブンデスリーガにおいて圧倒的なデュエル勝利数を誇る遠藤はなぜ、1対1で勝ち続けることができるのか。その秘密はやはり“体”にあるのか。「今のベストは77kg」。ドイツで理想を追い求める遠藤のコンディショニングの秘訣に迫った。
1対1の局面の戦い=デュエルにおいて、「身長は関係ない」「駆け引きやクレバーさこそが重要」と話す遠藤だが、「体は関係ない」とは言えないだろう。178cm・76〜77kgという“仕上げ方”がそれを物語っている。
「本来であればもう少し、78kgくらいあってもいいですけど、そこは伸びしろだと思っています。一気に付ける必要はないですけど、しっかりとトレーニングを積んだ上で、最終的に体重に持っていって、さらにパフォーマンスを上げることが理想だと思っている」
遠藤の身長に対する体重の割合は高めである。それは、ブンデスリーガの昨季デュエル勝利数で1位となったベリンガム(ドルトムント/186cm・76kg)や2位となったヘクター(ケルン/185cm・75kg)という長身2人を、体重で上回っていることからもわかる。
駆け引きが重要であるとはいえ、簡単に吹っ飛ばされるようでは戦えない。ドイツで戦うなかで積み重ねてきたのはコンディショニングであり、体を整えるトレーニングだった。
「一番意識したのはトレーニングですね。チーム練習だけではなく、トレーナーをつけて週に1、2回トレーニングをしています。それによって、フィジカル能力が上がった感覚があります。食事はそこまで気にしていないですが、食べる量を調節しています。何を食べるのかというより、量の調節。それと睡眠時間を確保するなど、トレーニング以外の部分は、アスリートとして基本的なことを続けています。オフの今は少しサボりがちですけどね(笑)」
先に、「78kgくらいあってもいい」と話したが、「今のベストは77kgがちょうどいい」とも言う。遠藤自身が補足していたように、一気に付ける必要はないのだ。遠藤は積み重ね、継続していくなかで今のキャリアを築いてきた選手である。
だから焦ることはなく、着実に、階段を上がっていく。
「代表ではアジアカップがあるので、一つのピークを持っていかないといけない。まずは、そこに向けた体づくりをしていきたい。チームでは、ブンデスリーガでプレーするなら、またデュエル王になりたいと、ざっくり思っています。そこは小さなことの積み重ねだと思うので、今やってきていることを継続するのが一番大事だと思います」
もしかしたらこのメンタリティが、現代の日本代表キャプテンに求められる必須項目なのかもしれない。2010年代以降、長谷部誠、吉田麻也と受け継がれてきたバトンを受け取り、日本を高みへ導いていくために。遠藤は、世界で戦うための“体”を鍛え、さらに心を磨き上げ、愚直に、誠実に自身と向き合いながら、新シーズンへの準備を進めている。
(ABEMAスポーツタイム)
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