「実はこの1年くらい“自己愛性パーソナリティ障害”の疑いがある人にずっと粘着をされていて、最近やっと弁護士をはさんで解決しつつある」
そう語るのは、実業家のハヤカワ五味氏。
【映像】5つ以上当てはまったら可能性アリ...自己愛性パーソナリティ障害の診断項目
自己愛性パーソナリティ障害とは偏った自己愛から、自分は特別な存在だと思い込み、より多くの称賛を求め、平気で他人を見下したり、他者との共感性に乏しいといった特徴を持つ精神疾患。自己愛性パーソナリティ障害の基準は9つあり、そのうち5つ以上当てはまるっと診断される可能性が高いという。
ハヤカワ五味氏は「(相手が)ほとんどそれに当てはまっていて、これまでの謎の行動が全て整理された感じがあった。この概念に出会えてすごい良かった」。続けて、「正直この診断基準を見た時に、“こういうちょっと傲慢な人いるよね”みたいにな思う人もいると思う」と感想を述べた。
ただ、ハヤカワ五味氏は、「自分の場合はどちらかというと下に見られるというよりは、特権側で見られる場合が多い」のだそう。テレビ等に出ていることなどから“すごい人”と思われ、「自分も同じくらい評価されるべきだ」「自分も本来は同じ土俵にいるべきだ」「この人なら理解してくれるはずだ」などと勝手な思い込みから執着されるケースだ。
「今SNSがこれだけ普及して、自分より社会的な特権を持ってる人がいっぱい見える中で、嫉妬ももちろんあるだろう。自分も本来はこれくらい評価されるべきだみたいな、歪んだ自己評価がついてきてしまう人が増えているのでは」(ハヤカワ五味氏)
続けて、「正直、自己愛性の当事者は何も困っていないわけだ。自分が快適で、ストレスのない形に、認識が、ある意味で歪んだりしているから、本人的には直すメリットが基本的にほとんどない。
でも周りの人はやっぱり困っている状態で、これをどう介入したら解決に向かうのか。離れるしかないのかということを含めて、本当に難しいと思う」と同この障害の難しさを指摘した。
これに対し、自己愛性パーソナリティ障害に詳しい精神科医の春日雄一郎氏は、周りの対応としては大きく2つあると説明。まず、DVなど実害があって自分の身が危ないという場合であれば、緊急避難として“距離を取る”ということ。
そして緊急避難を抜けた後、本人にどう気づいてもらうか。春日氏は、”障害”という概念を押し付けるのではなく、相手の人間性は否定せず、“行動”を指摘すべきだと話す。
「『この行動はちょっと残念だから控えてほしい』と。そういうことが繰り返されてしまうのであれば、(自己愛性パーソナリティ障害の)傾向があるかもしれないと徐々に気づいてもらうのがいいと思う」
とはいえ、本人が自覚することも難しい。春日氏は、こういった状況では誰かひとりが抱え込むのではなく、周囲を巻き込んで接することが理想とも。「人を下に見たり、いろいろやってしまうのはいけないことだとみんなで共有して、ちょっとずつ言って接していく。そういうふうな形に持っていくのが現実的なのではないか」と提言した。
(『ABEMA Prime』より)
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