またMの舞台で戦える石立岳大、試合中に感極まる渾身の2位通過「負けると思っていた」／麻雀・Mトーナメント

　この場で戦えることが幸せだ。Mリーガー、各プロ団体推薦者が出場する「Mトーナメント2023」ファイナルステージのA卓が7月15日に行われ、石立岳大（連盟）が2位通過。第1試合の3着で敗退を覚悟、高まる思いをこらえながら最終戦に向かい、見事に逆転通過を勝ち取った。

【映像】多くの人の運命を変えた石立岳大のチー

　第1試合は東家から石立、日向藍子（渋谷ABEMAS・最高位戦）、松ヶ瀬隆弥（EX風林火山・RMU）、浅井裕介（最高位戦）の並びでスタート。序盤からチャンスに恵まれず、南2局の一気通貫確定となる乾坤一擲のリーチも浅井裕介に満貫をツモられてしまい不発。南4局で満貫をツモりラス抜けはしたものの、消化不良の3着で試合を終えた。

　第2試合は浅井裕介、松ヶ瀬、石立、日向の並び。入場シーンでは肩口にデザインされた自団体のロゴをギュッと掴み、涙をこらえて卓に着いた。東2局、石立はカン四万待ちでリーチ。配牌からベタオリの浅井が五万を1枚捨てており、自身でも2枚使いで勝算ありのこの待ちを、終盤に松ヶ瀬からロン、リーチ・赤・ドラ・裏ドラの8000点をゲットした。

　東4局はカンが2つ入り4者が高打点でぶつかりあう白熱の展開。ライバルから攻め込まれるたびに石立は顔をしかめるも、絶対に屈しないという気迫も見せた。ここで石立はタンヤオ・赤2・ドラ4の1万2000点をまたも松ヶ瀬からロン。この跳満で当面のライバル日向に大きな差を付けた。南4局は親の日向が最後の反撃、石立は2本場で浅井裕介に放銃しトップから転落も、2位で通過を決めた。

　ラス親の日向に追われるたびに苦悶の表情を浮かべ、牌を祈るように河へ置いていた石立。苦しみから解放された試合直後、インタビューで「負けると思っていたので2試合目の入場の時にちょっと涙ぐんでしまった感じでした」と打ち明けた。次戦以降の戦いでは白鳥翔（渋谷ABEMAS・連盟）との対戦を希望。「連盟で同期なので。随分差が付いちゃってるんで、一回戦ってみたい」と無骨な表情の中にも、真夏の日差しのような闘志を浮かべていた。

　「心強い味方に助けられてセミファイナルへ進出することができました。セミファイナルでは自分の力で勝ち上がれるように頑張りたいと思います。応援よろしくお願いします」と視聴者へメッセージ。これには「やったれ！」「あかん、もらい泣きしそうだ」「いしだてさん覚えたよー」「白鳥倒してやれ！」とその戦いぶりに心を動かされた視聴者から、多くのエールが返された。

　内に秘めた熱い思いが、言葉よりも仕草、戦いぶりに表れ、石立は見事セミファイナルの1席を獲得。ファイナルステージまで6試合戦えることを喜んでいた男は、あと4試合で頂点を目指す。

【第1試合結果】

1着　浅井裕介（最高位戦）3万3200点／＋53.2
2着　日向藍子（渋谷ABEMAS・最高位戦）3万1300点／＋11.3
3着　石立岳大（連盟）2万2300点／▲17.7
4着　松ヶ瀬隆弥（EX風林火山・RMU）1万3200点／▲46.8

【第2試合結果】

1着　浅井裕介（最高位戦）4万600点／＋60.6
2着　石立岳大（連盟）3万8400点／＋18.4
3着　日向藍子（渋谷ABEMAS・最高位戦）2万3300点／▲16.7
4着　松ヶ瀬隆弥（EX風林火山・RMU）－2300点／▲62.3

【最終結果】

1位　浅井裕介（最高位戦）／＋113.8
2位　石立岳大（連盟）／＋0.7
3位　日向藍子（渋谷ABEMAS・最高位戦）／▲5.4
4位　松ヶ瀬隆弥（EX風林火山・RMU）／▲109.1

※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会

◆Mトーナメント　プロ麻雀リーグ「Mリーグ」初となる冠大会で個人によるトーナメント戦。現Mリーガー32人と元Mリーガーやタイトルホルダーなどプロ5団体からの推薦者20人、計52人で行われる。Mリーグの昨シーズン優勝チーム所属の4選手は、ベスト16からのシード出場となる。全試合「Mリーグルール」で行われ、予選は1stステージ、2ndステージ、ファイナルステージに分けて行われ、それぞれ2位までが次のステージに進出。セミファイナル（ベスト8）、ファイナルを経て優勝者を決める。
（ABEMA／麻雀チャンネルより）