将棋の竜王戦決勝トーナメントが7月17日に行われ、羽生善治九段(52)が三浦弘行九段(49)に106手で勝利した。羽生九段はベスト4に進出し、次戦で永瀬拓矢王座(30)と対戦する。
6月に日本将棋連盟会長に就任した羽生九段が、竜王戦4強入りを決めた。強豪同士の一戦は、角換わり腰掛け銀の出だしに。後手の羽生九段の前例にない桂打ちに対し、三浦九段が手を止めて49分の考慮となった。羽生九段は桂馬を活用して攻勢を取ってペースを握ると、先手陣に控える飛車に当てて攻防の角打ちを放った。
羽生九段がリードして迎えた終盤は、激しい攻防戦に。自陣を補強し攻めに出た三浦九段が押し戻したかと思われたが、後手の猛攻は止まらない。一気に押し切り、最後は必至をかけたところで三浦九段が投了を告げ、羽生九段の勝利となった。
勝利した羽生九段は「ずっとまとめずらいかなと思っていて、ずっと自信がない局面が続いていた」とコメント。挑戦者決定三番勝負進出をかけた次戦へ向けて「しっかりコンディションを整えて全力でやりたいと思います」と意気込んでいた。
敗れた三浦九段は「一瞬面白くなったかなと思った局面もあったが、少しうっかりもあった。いろいろひどかったかなと思うが、仕方がない。これが実力」と語った。
本局の結果により今期の竜王戦ベスト4が決定。羽生九段のほか、永瀬王座、稲葉陽八段(34)と5組優勝枠からトーナメントで快進撃を続けている伊藤匠六段(20)の4人により、藤井聡太竜王(名人、王位、叡王、棋王、王将、棋聖、20)への挑戦権が争われる。
(ABEMA/将棋チャンネルより)