七冠王が兄弟子に見せた素の表情が話題を呼んだ。将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2023」予選Eリーグ第2試合、チーム藤井とチーム千田の対戦が7月15日に放送された。今期の藤井聡太竜王・名人（王位、叡王、棋王、王将、棋聖、20）は、自軍に同門の兄弟子・齊藤裕也四段（26）を指名。兄弟弟子の交流の様子に大きな注目を集めていた。3-3で迎えた第7局では、澤田真吾七段（31）の対局を控室から見守った両者。仲の良さがうかがえる会話に、ファンからは「仲良しだからテンション高いな」「やんちゃな弟をフォローする兄の図式なんだなw」の声が寄せられていた。
【映像】兄弟子の齊藤四段とリラックスした表情の藤井竜王・名人
3勝3敗の勝負所では、澤田七段VS新鋭・藤本渚四段（18）の対戦に。勝てばチーム勝利へ大きく近づく局面とあり、藤井竜王・名人は齊藤四段とともに控室から対局を見守った。先手の澤田七段が飛車先の歩を突き開戦すると、藤本四段は△8四歩。互いにそのまま歩を進める出だしに、藤井竜王・名人は「いきなり意表を付いてきますね。前例ないんじゃないですか！？新手ですよ新手！」と声を弾ませた。藤本四段は雁木が得意戦法とあり本局でも同様の戦型が見込まれていたものの、細かな駆け引きの末に相掛かりに。しかし、澤田七段は動じることなく自然な対応を見せていた。
空中戦に展開すると、澤田七段が豊富な経験を活かして▲5五飛からペースを掌握。▲9三歩と鋭く踏み込む一手には、控室の藤井竜王・名人、齊藤四段が「来たんじゃないですか？これ（後手は）崩壊していますよね？」「澤田先生すごいな～」「さすがですね～」と称賛を送っていた。
リードを拡大させていく澤田七段の圧巻の差し回しに、藤井竜王・名人の表情はどんどん柔らかく緩んでいく。兄弟子と一緒ということもあってか、
藤井竜王・名人「“新手”が良くなかったんじゃないですか？」
齊藤四段「2手目？」
藤井竜王・名人「うん、2手目！フフフフフフ！」
齊藤四段「さっき（藤本四段は）藤井くんに負けたからちょっと変えようと思ったのかもしれないけど」
と、何とも楽しそうな表情を見せた。同門同士2人だけの空間とあり、兄弟子の齊藤四段もここでは「藤井くん」呼び。公の場では決して見ることのない両者の交流の様子に、視聴者からは「新手いじりw」「ブラック聡ちゃん」「辛口聡太」「くん呼びは兄弟子ならでは」「藤井くんにほっこり」「藤井くん呼びいいわ～」「ふたり、仲良さそう」「仲良しだからテンション高いな」「やんちゃな弟をフォローする兄の図式なんだなw」「斎藤くんめっちゃフォローしてくれる」「兄弟子いいわー」と多くのコメントが寄せられていた。
対局は、澤田七段が端攻めから攻略して83手で快勝。最年少棋士の藤本四段に対し、経験値で圧倒する結果となった。
◆ABEMAトーナメント2023 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり、今回が6回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士14人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全15チームで行われる。予選リーグは3チームずつ5リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
（ABEMA／将棋チャンネルより）
