広瀬章人八段「フィッシャー引退します」まさかの宣言に視聴者騒然!?急転直下の幕切れに「そのくらいショックだった」/将棋・ABEMAトーナメント
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 超早指しで好成績を収めてきた実力者が、まさかのフィッシャー引退宣言?将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2023」本戦トーナメント1回戦・第1試合、チーム永瀬とチーム広瀬の対戦が7月29日に放送された。広瀬章人八段(36)は4大会連続でリーダーを務め、激戦の予選Cリーグでは6局指して3勝3敗。予選突破のかかった大事な一局でも勝利を収め、さすがの勝負強さを見せてきたが、本戦の自身1局目でまさかのうっかりで完敗。対局後には「フィッシャールール引退します、という心境です。そのくらいショックだった」と、苦笑いを浮かべながらも落胆した。

【映像】敗戦のショックを語る広瀬章人八段

 広瀬八段といえば、早稲田大学在学中の王位で初タイトルを獲得、後に竜王も獲得するなど、タイトル2期の実績があり、順位戦もA級の常連だ。その確実な強さがあり、限りなく九段に近い存在として「広瀬8.99段」と呼ばれることもある。優しい人柄で将棋界の仲間も多く、例年この大会ではチーム広瀬のアットホームな雰囲気に癒やされるファンが続出している。また、持ち時間5分・1手指すごとに5秒加算というフィッシャールールへの適性も高いと評判だ。

 ところがこの試合の第3局、チーム永瀬の本田奎六段(25)との対局では、魔が差したのか、何かが違っていた。早々に力戦調の将棋になると、チームメイトの近藤誠也七段(26)も「広瀬リーダーには珍しい作戦」とつぶやいた。後輩も何か違和感を覚えるような展開だったが、ここで広瀬八段は「しまった」といわんばかりの表情を浮かべた。どうやら先手の本田六段の構想を外しにいこうとしたところ、かえってハマってしまったようだ。

 それでもなんとか持ち直し際どい終盤に持ち込んだところまではよかった。しかし、再び広瀬八段に何か勘違いが生じたのか、最終盤に大きく形勢を損ねて79手で敗戦。競り合いの中で自ら転んだような展開に、終局後の広瀬八段はがっかりだ。「ついにお恥ずかしいところを見せてしまった。展開としては最後、難しいなと思っていた。最後の一手を完全に見落としていて、誰しもこういうことがあるとはいえ、引退が近いなと思いました」と、言葉にも元気がなかった。

 チームメイトの気遣いもあってか、第6局に登場した際は、本田六段にきっちりリベンジを果たす91手の快勝を収めたが、続く第7局では増田康宏七段(25)に敗れて、チームの敗退が決定。試合後も「本田六段との将棋ですごいポカ、うっかりをしてしまって。そこで引退してしまったのが全てでした」と苦笑いが続いていた。もちろんファンからは「広瀬さんドンマイ」「どうした広瀬」「引退しないでえええ」と、引退しないでほしいというコメントが殺到。来年の大会での巻き返しが期待されるところだ。

◆ABEMAトーナメント2023 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり、今回が6回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士14人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全15チームで行われる。予選リーグは3チームずつ5リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
ABEMA/将棋チャンネルより)

【映像】後輩の指し手をウキウキしながら見る永瀬拓矢王座
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【映像】好調にご機嫌のチーム永瀬の控室
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