チーム斎藤、強敵撃破で2回戦進出!斎藤慎太郎八段「協力して戦えている充実感」次戦でチーム藤井と激突/将棋・ABEMAトーナメント
【映像】本戦初戦突破を喜ぶチーム斎藤

 3人が一丸となって強敵を撃破した。将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2023」本戦トーナメント1回戦・第2試合、チーム康光とチーム斎藤の対戦が8月5日に放送された。初戦から3連勝スタートを切ったチーム斎藤が、勢いそのままにチーム康光を圧倒。最終スコア5勝2敗で勝利を飾った。リーダーの斎藤慎太郎八段(30)は「協力して戦えているなという充実感で勝ち上がれたのが嬉しい」と笑顔を見せた。次戦では予選Eリーグ1位通過で藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、棋王、王将、棋聖、21)率いるチーム藤井と対戦する。

【映像】本戦初戦突破を喜ぶチーム斎藤

 3連勝を達成するとリーダーからオーダースーツが送られる“ご褒美制度”が採られている今期のチーム斎藤が、「目指せオーダースーツ!」の目標(?)の下に躍進した。第1局では黒田尭之五段(26)が志願の先発登板。相手チームの大橋貴洸七段(30)との相掛かり戦で、終始落ち着いた指し回し披露した。初戦で白星を飾るべく大橋七段が粘りを見せたものの、黒田五段が攻めをつないで勝利。「流れを作るところもあるので、勝ち切ることができて良かった。自分を褒めたい」とホッとした表情でチームメイトの元に戻った。

 第2局は斎藤八段と高見泰地七段(30)による同学年対決に。相掛かりの一局を斎藤八段が完璧な差し回しを見せ120手で快勝を飾った。続く第3局は再び黒田五段が登場。相手リーダーの佐藤康光九段(53)との初対戦でペースを握られたものの、黒田五段が▲5三銀の勝負手から押し戻して159手で連勝を飾った。好調・黒田五段の活躍で一気に3連勝スタートを切ったチーム斎藤だったが、第4局で初登場となった冨田誠也四段(27)の緊張が解けきれず対抗形の一局に完敗。チーム康光に流れを渡さない、と第5局には斎藤八段が再び立ち上がった。相手は連投してきた大橋七段。互いの研究がぶつかり合う角換わりの一局となったが、斎藤八段が上回り121手で勝利。チーム勝利にあと1勝まで迫った。

 第6局は“スーツチャレンジ”にリーチをかけている黒田五段が3度目の登場。高見七段に得意の三間飛車で挑んだが、▲1六角からリードを奪われ手痛い敗戦。チャレンジ失敗とともに、チーム勝利も足踏みする結果となった。

 次こそ勝負を決めるべく立ち上がったのは冨田四段。対するは「子どもの頃に指導対局を受けたことがある」という佐藤九段に決定した。レジェンドとの対戦となったが、リーダーの斎藤八段は野球のワールド・ベースボール・クラシック決勝を前に大谷翔平投手がチームメイトに語った「憧れるのはやめましょう」の一言。先手番の冨田四段はその言葉に背中を押されるようにエース戦法の中飛車をぶつけたが、佐藤九段ペースでの進行となった。ベテラン・佐藤九段は秘術を尽くして勝ちを引き寄せるも、▲1一竜で粘って大激戦へ。絶対に勝つという強い信念のもと、冨田四段が241手に及ぶ長手数の大熱戦を制しチームに勝利をもたらした。

 チーム一丸となって強豪チームを撃破した斎藤八段は、「協力して戦えているなという充実感で勝ち上がれたのが嬉しい」と満足気。初速の勢いをつけた黒田五段は「全体的に充実していた。将棋の内容もチームの雰囲気も良かったが、“スーツチャレンジ”だけが心残り。次回以降に持ち越しとなったので隙があれば狙いたい」、第7局の激戦を制した冨田四段は「ひとつ結果が出たのは良かった。お二人とも良い内容の将棋で気持ちが良かった」と喜びを語った。第2試合でのMVPを問われた斎藤八段は「最初の勢いをつけた黒田くんなのか、最後の241手を指した冨田くんなのか…」と悩んだ表情を見せると、冨田四段は安定感抜群の差し回しでチームの支柱となった「リーダーじゃないですか?」。これを受け、斎藤八段は「みんなMVPですね!」と笑顔でまとめていた。

 次戦では優勝候補筆頭のチーム藤井との対戦が決定。「本戦トーナメント表を見た時に、勝ち上がればチーム藤井と当たれるので対戦するのが楽しみと話していた。3人ともやりがいのあるメンバーですし、しっかり準備して今までのように戦えば良い将棋をお見せできると思いますので、頑張りたいと思います」と意気込みを語った。

◆ABEMAトーナメント2023 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり、今回が6回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士14人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全15チームで行われる。予選リーグは3チームずつ5リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
ABEMA/将棋チャンネルより)

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