【第105回全国高校野球選手権記念大会】花巻東4−1宇部鴻城(1回戦・第3日・第1試合・甲子園)
【映像】佐々木麟太郎の金属バットがボールを潰した瞬間
8月8日に放送された「熱闘甲子園」で、第105回全国高校野球選手権記念大会(主催:朝日新聞社、日本高等学校野球連盟)の花巻東(岩手)対宇部鴻城(山口)の一戦を紹介。番組では、高校通算140本塁打を放っている花巻東のスラッガー・佐々木麟太郎選手が見せた打撃に注目した。
3番・一塁で先発出場を果した佐々木は、0-0で迎えた初回、2死走者なしの場面で最初の打席に立つことに。その際、宇部鴻城バッテリーは、5球すべてが内角という、徹底した内角攻めを選択。しかし佐々木は、ボールをよく見極めた上で、カウント3-1からの5球目、ストライクを取りにきた内角のストレートを強引に引っ張ることなく、左へと打ち返し、三遊間を抜ける安打に。先制点が欲しい場面で強振せず、まず自らが走者として塁に出ることを選ぶ打撃を見せた。
続く4回、無死二塁と、先制の好機で迎えた第2打席では、佐々木はカウント1-0からの2球目、やや内寄り、低めスライダーをレフトへと上手く運ぶ一打に。走者が還り、チームに貴重な先制点をもたらすこととなった。
そして、3-0、3点のリードとなった5回の第3打席は、2死二塁の好機であったものの、申告敬遠に。その際も、後ろを打つ4番・北條慎治選手を信じて、佐々木は笑顔で一塁へ。すると、その期待に応える形で北條がライトへと運ぶタイムリーに。佐々木はチームの貴重な追加点をお膳立てする形となった。
佐々木は、4-0で迎えた7回に迎えた第4打席でも、慎重にボールを見極めてカウント3-2とした上で、6球目、内角高めのストレートを逆らわずに叩いて三塁強襲の内野安打に。結局、この日は3打数3安打、1打点。放った3安打は、いずれも長打ではなかったが、これらの打席は、佐々木が心に期する“あるべき姿”を体現したものであり、同時に改めて“佐々木の強み”を感じさせるものであった。
前述の通り、今大会では、高校通算140本塁打を放つ長距離砲として注目を集める佐々木だが、その実、佐々木が心がけているのは、チームへの貢献。つまり、打撃においては、状況に応じたチームバッティングなのだという。番組で取材した際に訪れた佐々木の自室には、「貢献こそ活躍」としたためられた佐々木の書が飾られていたが、それを眺めながら佐々木は、「注目されながらも、個人的なバッティングにならないように。チームプレーこそ、自分のあるべき姿だと思います。」と、語っていたのが実に印象的だ。
バットマンであれば、誰しも自分の一打で勝利を掴み取りたい。ましてや佐々木のように長打力のある選手ならば、それこそ「一振りで…」と逸る気持ちも出てくるだろう。しかしそれを是としない佐々木は、あくまで状況に応じたチームバッティングを心がけ、全力でプレーすることが、自分の“あるべき姿”であると語る。もしかすると、これこそ、“佐々木の強み”であり、同時に、花巻東という“チームの強み”であるといえるのかもしれない。
写真提供:朝日新聞社
8月23日 決勝のハイライト動画
準決勝までのデイリーハイライト動画も
1〜3回戦(タップで動画へ) | ||
---|---|---|
8/6 第1日 | 8/7 第2日 | 8/8 第3日 |
8/9 第4日 | 8/10 第5日 | 8/11 第6日 |
8/12 第7日 | 8/13 第8日 | 8/14 第9日 |
8/16 第10日 | 8/17 第11日 | |
準々決勝・準決勝(タップで動画へ) | ||
8/19 第12日 | 8/21 第13日 |
『熱闘甲子園』動画一覧
8月6日(日)の開幕戦から決勝まで無料配信! キャスターは古田敦也氏、斎藤佑樹氏、ヒロド歩美氏が務めます。
日 | 見どころ(タップで動画へ) |
---|---|
第1日 | 浦和学院と仙台育英の好カードは3時間超えの大熱闘! |
第2日 | 川之江には幼なじみが4人…叶えたい願い |
第3日 | 通算140HR!花巻東の佐々木麟太郎選手が最後の夏 |
第4日 | 感謝届けたい相手がいる夏…第4日は家族の絆に胸が熱くなる! |
第5日 | 斎藤佑樹氏、捕手のキャッチング技術に脱帽! |
第6日 | 球児に宿るアルプスのチカラ |
第7日 | 笑顔 感謝 信頼...宿命 |
第8日 | ALL for ALL~全員が全員のために~ |
第9日 | 夏に輝くモンスター! |
第10日 | 広陵・主将が最高の舞台で最愛の人へ恩返し |
第11日 | 仙台育英に挑む履正社の信頼し合うW左腕 |
第12日 | 昨夏王者・仙台育英に立ち向かうは花巻東 |
第13日 | ベスト4がいちばん長い夏をかけて激突! |
第14日 | 4年ぶりに戻ってきた声に包まれ最後の一戦 |