【第105回全国高校野球選手権記念大会】前橋商1−7クラーク国際(1回戦・第3日・第2試合・甲子園)
【映像】仲間の夢と想いが託されたバットで打席に立つ瞬間
8月8日に放送された「熱闘甲子園」で、第105回全国高校野球選手権記念大会(主催:朝日新聞社、日本高等学校野球連盟)の前橋商(群馬)対クラーク国際(北海道)の一戦を紹介。番組では、クラーク国際の捕手・麻原草太選手が放った一打と、そこに垣間見れた仲間との強い絆に注目することとなった。
1-7、クラーク国際6点のリードで迎えた9回表・無死一塁の好機で、打席に立ったのは、この日、4打数無安打の捕手・麻原。この打席、麻原は粘り強くボールを良く見てカウント3-2まで持ち込むと、6球目、真ん中やや高めのストレートを鋭く振り抜き、ライト前へと運ぶ、甲子園初安打に。しかしこの初安打に、打った麻原と同じかそれ以上に喜んでいた人物がいた。スタンドから熱のこもった応援を続け、ナインを盛り立てていた3年生の坂本劣陽君だ。
大会前に行われた壮行会では、松葉杖を手に立つ坂本君の姿があった。もともと主力としてチームを牽引、春のセンバツでは主力選手として活躍した坂本君は、その後、5月の練習時に右足を骨折。チームメイトと共に迎えた最後の夏、甲子園でベンチ入りする彼の夢は、この時点で絶たれる形となってしまった。壮行会で坂本君は、こみあげる涙を堪えながら、腹の底から振り絞るように「最後の夏は、自分は試合に出ることはできないですけど…チーム一丸となって、甲子園に出場してもらいたいという気持ちが、すごいあるので…」と、懸命にエールを贈り、自らの想いをチームメイトに託した。甲子園のグラウンドを駆け抜ける夢は絶たれても、共にプレーし続けてきた仲間たちを全力で支えたい。そんな想いと共に坂本君は、盟友・麻原に自らのバットを託し、ベンチではなくスタンドから、この一戦を見守っていたのだ。
坂本君から、夢とバットを託された麻原は、試合前、「(坂本君の)気持ちも一緒に背負って、バッティングしています。」と語っていたが、この日は、4打数無安打。そこで迎えたのが、9回表の打席だった。
夢と共に託したバットで、憧れの地・甲子園で快音を響かた麻原に、スタンドの坂本君は、我がことのように喜び、思わず声を挙げた。無論、本来であれば、自分自身でバットを握り、甲子園の打席に立ちたかったことだろう。しかし、そうした感情を超えたところにある想いを、麻原の一打がもたらしたのだ。「自分の想いが届いたかなという気持ちと…やっぱ、打ってくれて一安心という気持ちです。麻原も自分のことを思って打ってくれているのかなと思って、すごい嬉しいです。」と、どこかはにかむように微笑みながら語る坂本君の表情は、実に晴れやか。大声援を受けながらの一塁上、少し誇らしげな表情で右手を挙げた麻原に、坂本君は、改めて、夢の続きを託すこととなった。
写真提供:朝日新聞社
8月23日 決勝のハイライト動画
準決勝までのデイリーハイライト動画も
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『熱闘甲子園』動画一覧
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日 | 見どころ(タップで動画へ) |
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