将棋の藤井聡太王位(竜王、名人、叡王、棋王、王将、棋聖、21)が8月15・16日の両日、佐賀県嬉野市の「和多屋別荘」で行われた伊藤園お〜いお茶杯王位戦七番勝負の第4局で挑戦者の佐々木大地七段(28)に敗れ、シリーズ成績を3勝1敗とした。挑戦者のエース戦法「相掛かり」に敗れ、防衛4連覇のチャンスは次局以降に持ち越される結果に。注目の第5局は8月22・23日に徳島県徳島市の「渭水苑」で指される。
【中継】藤井王位VS佐々木七段 終局後インタビューと感想戦(生中継中)
絶対王者が挑戦者の得意戦法「相掛かり」を前に黒星を喫した。本局は藤井王位の開幕3連勝で迎えた佐賀県・嬉野対局。大雨災害などの影響で2年連続で開催が見送られ、地元にとっては3年越し待望の開催となった。後が無い佐々木七段は、この一局にエース戦法を採用。ヒューリック杯棋聖戦五番勝負とともに“真夏の十二番勝負”を戦う両者だが、佐々木七段が用いるのは4局目だった。
互いにとって勝負所とあり、1日目はスローペースでの進行に。長考を重ねながら相手の構想を慎重に探った。封じ手は藤井王位の手番で迎えることとなったが、選んだのは決戦を先送りとする一着。緊迫感漂う中盤戦となったが、ここでも両者は長考を重ねて終盤戦への読みを深めていた。そんな中で、佐々木七段が狙いをすましたように中段の異筋へ角を打ち付ける一手を放つ。ここから主導権は挑戦者が握ることになった。
追い込まれた藤井王位は次々に勝負を迫ったが、佐々木七段が手厚く備えており逆転には至らない。藤井王位は最後にお茶を一口含んだ後、静かに投了を告げた。
終局後、藤井王位は「本譜はすぐに終わってしまったので残念に思います。1日目から長考を重ねるような感じになったが、2日目に飛車を回ってから配置の悪さに苦労する展開になってしまった。そのあたりの組み立てに少し問題があったかなという気はしています」とコメント。次局に向けて、「本局は課題が多い内容だったので、立て直せるように頑張りたいと思います」と語った。
藤井王位は、8月4日に行われた王座戦挑戦者決定戦で自身初となる挑戦権を獲得。タイトル全冠を手に入れるべく“八冠ロード”と突き進んでいるが、挑戦者の佐々木七段も簡単には譲らない。王位防衛4連覇達成のチャンスは自局以降に持ち越されることになったが、絶対王者がより一層集中力を高めて第5局に臨むことになる。
舞台を九州から四国に移して行われる第5局で、藤井王位が勝負に決着を付けるか、佐々木七段が連勝で奪取への望みを繋げるか。大熱戦が予想される第5局は、8月22・23日に徳島県徳島市の「渭水苑」で指される。
(ABEMA/将棋チャンネルより)