【第105回全国高校野球選手権記念大会】専大松戸6-10土浦日大(3回戦・第10日・第4試合・甲子園)
壮絶な点取り合戦となった。土浦日大は初回、3回の連打で3点ずつを奪われて専大松戸に0-6と先行を許すも、3回裏に5点を返し、4回に同点、5回に3点を挙げてついに逆転。崩れることなくビッグイニングを作った土浦日大が、最終スコア10-6で準々決勝進出を果たした。
千葉県と茨城県の隣県対決でかつ、両者はJR常磐線の各駅停車で45分の位置関係にあるという“ご近所さん”である。互いに負けられないという意地が、まさに白球に乗ったようなゲームとなった。
立ち上がり、試合を主導したのは専大松戸だ。初回、1死二、三塁のチャンスで4番・太田遥斗選手(3年)がライトへの先制タイムリーで先制すると、続く5番・広川陽大選手(3年)によるセーフティスクイズで追加点。さらに2死一、二塁で7番・上迫田優介選手(3年)がレフトへヒットを放ち、セカンドランナーが生還。一気に3点を先取した。
一方、土浦日大にとっては、初回途中に小森勇凛選手(3年)から伊藤彩斗選手(3年)に交代するなど、いきなり想定外の戦いを強いられることになってしまった。
1回裏、2回表のそれぞれの攻撃を三者凡退で迎えた2回裏、土浦日大がチャンスを作る。1死一、二塁から7番・塚原歩生真選手(3年)のレフト前ヒットで満塁に。しかし、大井駿一郎選手(2年)がセカンドゴロ、伊藤彩斗が空振り三振に打ち取られ、追撃する機会を逸してしまった。
すると3回表、専大松戸は、土浦日大をさらに攻め立てた。無死二、三から5番・広川のショートゴロの間に1点を追加し、さらに1死三塁から吉田慶剛選手(3年)のライトへの犠飛でさらに1点を加えた。その後、2死一、二塁で9番・宮尾日向選手(3年)にレフト前タイムリーが飛び出してリードを6点とする。土浦日大は伊藤彩斗からエース・藤本士生選手(3年)に交代して流れを食い止めるも、一方的な展開を招いてしまった。
しかし、試合の本番はここからだった。
3回裏、無死満塁のチャンスを作った土浦日大は、4番・香取蒼太選手(3年)のレフトへのタイムリーで1点を返して反撃を開始する。さらにバッテリーエラーの間に2点を追加すると、6番・鈴木大和選手(3年)のセカンドへの内野安打の間に2点を加え6-5と、1点差とした。
さらに4回裏、2死一、二塁の場面で専大松戸は先発・青野流果選手(3年)から今大会初登板となる梅沢翔大選手(2年)に交代。すると土浦日大の4番・香取がその代わりバナを打ち砕くレフトへのタイムリーヒットを放ち、試合をついに振り出しに戻すことに成功した。
6-6として迎えた5回裏、土浦日大がさらに勢いを増す。2死満塁から死球による押し出しで逆転に成功すると、3番・後藤が2球目をレフトへと打ち込む2点タイムリーで6-9とした。
土浦日大がひっくり返した試合は、その後も両チーム得点圏内に走者を進めるチャンスを作るなかで、投手、野手が奮闘し、一転してスコアが動かない終盤となる。それでも土浦日大が8回裏に2死満塁から藤本のタイムリーでさらに1点を追加してダメ押しする形に。そして、ついに決着へ。
迎えた最終回、先頭打者の3番・中山凱選手(2年)がヒットで出塁するも、4番・太田はライトフライに沈む。専大松戸はここで、代打に平野大地選手(3年)を送る。今大会、エースナンバーを背負いながらも登板機会のなかった大黒柱が登場するも、キャッチャーへのファールフライに終わる。続く6番・吉田慶剛選手(3年)の放った打球はセンターへのヒット性のあたりとなったものの、土浦日大の4番・香取がダイビングキャッチ。最後はスーパープレーで試合を締めくくり、土浦日大が最終スコア6-10で専大松戸に勝利を収めた。
画像提供:バーチャル高校野球
8月23日 決勝のハイライト動画
準決勝までのデイリーハイライト動画も
1〜3回戦(タップで動画へ) | ||
---|---|---|
8/6 第1日 | 8/7 第2日 | 8/8 第3日 |
8/9 第4日 | 8/10 第5日 | 8/11 第6日 |
8/12 第7日 | 8/13 第8日 | 8/14 第9日 |
8/16 第10日 | 8/17 第11日 | |
準々決勝・準決勝(タップで動画へ) | ||
8/19 第12日 | 8/21 第13日 |
『熱闘甲子園』動画一覧
8月6日(日)の開幕戦から決勝まで無料配信! キャスターは古田敦也氏、斎藤佑樹氏、ヒロド歩美氏が務めます。
日 | 見どころ(タップで動画へ) |
---|---|
第1日 | 浦和学院と仙台育英の好カードは3時間超えの大熱闘! |
第2日 | 川之江には幼なじみが4人…叶えたい願い |
第3日 | 通算140HR!花巻東の佐々木麟太郎選手が最後の夏 |
第4日 | 感謝届けたい相手がいる夏…第4日は家族の絆に胸が熱くなる! |
第5日 | 斎藤佑樹氏、捕手のキャッチング技術に脱帽! |
第6日 | 球児に宿るアルプスのチカラ |
第7日 | 笑顔 感謝 信頼...宿命 |
第8日 | ALL for ALL~全員が全員のために~ |
第9日 | 夏に輝くモンスター! |
第10日 | 広陵・主将が最高の舞台で最愛の人へ恩返し |
第11日 | 仙台育英に挑む履正社の信頼し合うW左腕 |
第12日 | 昨夏王者・仙台育英に立ち向かうは花巻東 |
第13日 | ベスト4がいちばん長い夏をかけて激突! |
第14日 | 4年ぶりに戻ってきた声に包まれ最後の一戦 |