【第105回全国高校野球選手権記念大会】日大三 2-7 おかやま山陽(3回戦・第11日・第3試合・甲子園)
【映像】監督の挨拶に安田が号泣
8月17日に放送された「熱闘甲子園」で、第105回全国高校野球選手権記念大会(主催:朝日新聞社、日本高等学校野球連盟)のおかやま山陽(岡山)対日大三(西東京)の一戦を紹介。番組では、奮戦むなしく、試合終了後に“男泣き”を見せた日大三の先発・安田虎汰郎選手に焦点を当てた。
泣いた。泣いた。ただひたすらに泣いた。泣いて、泣いて、泣き崩れそうになった。最後の打者のボールが、相手チーム選手のグラブに収まった。その瞬間、安田は人目を憚ることなく、泣いた。この試合、先発した安田は、5回10安打6失点で降板。ただひたすらに込み上げては入り混じり、寄せては返す様々な記憶と想い。安田の頬を伝う涙は、大粒のものとなり、やがて号泣、嗚咽へと変わるまで、そう多くの時間はかからなかった。
「みんなの助けがあって、素晴らしい指導者と、素晴らしいみんなと野球ができて、本当に幸せでした。本当に日本一幸せなエースだったと思います。」試合後のインタビューで安田は、込み上げる想いと涙を、泥だらけの手でぬぐうような仕草を見せながら、懸命に語った。それでも次から次へと溢れ出る涙を堪えることができない。宿舎で、三木有造監督からナインへの挨拶があった際にも、安田は泣き続けた。これには監督も、「安田、泣きすぎだよ」と“愛あるツッコミ”を入れることとなったが、それは、安田の涙の理由を痛いほどよくわかる監督だからこその言葉だった。
「ここまで成長させてくれたのは前監督のおかげなので、夏は小倉前監督への恩返しのためにも戦う。」試合前のインタビューで、安田自身がそう語っていたように、3月で勇退した恩師・小倉全由前監督への感謝を胸に、安田をはじめ、日大三ナインは戦い、甲子園でも勝ち進んだ。なんとかして優勝し、恩返しをしたい。その想いでナインが一丸となり、全力を尽くした。しかし、彼らが切望した優勝旗は、この夏、手にすることができなかった。
試合が終了し、おかやま山陽ナインが歓喜に沸く中で、ナインと共に安田は泣いた。泣いた。ただひたすらに泣いた。泣いて、泣いて、泣き崩れそうになった。しかしそのとき、同じく涙と泥にまみれた仲間が、安田に肩を貸してくれた。そして、そんな彼らの姿を無言で見守っていた小倉前監督は、ナインの健闘を称えて、スタンドから惜しみない拍手を送っていた。悔しい敗戦となったものの、自らの教えを胸に厳しい練習を重ね、逞しく育った教え子たちの姿を見たその横顔は、我が子の成長を見届けた親のごとく、なんともあたたかで、満足げなものであった。
写真提供:朝日新聞社
8月23日 決勝のハイライト動画
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8/9 第4日 | 8/10 第5日 | 8/11 第6日 |
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『熱闘甲子園』動画一覧
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日 | 見どころ(タップで動画へ) |
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