【第105回全国高校野球選手権記念大会】仙台育英 9―4 花巻東(準々決勝・第12日・第4試合・甲子園)
敗れはしたが、これぞ高校野球とも言うべき猛攻に多くのファンが胸を打たれた。岩手代表・花巻東は準々決勝で宮城代表・仙台育英と対戦。東北の名門校同士の一騎打ちとなったこの試合は昨年の甲子園大会優勝校、仙台育英が制したが……9回裏の花巻東の猛攻は高校野球ファンなら誰もが心を動かされたことだろう。
【映像】花巻東、9点ビハインドから最終回に驚異の粘り!(2時間13分55秒ごろ~)
3回裏に尾形樹人選手(3年)の先制の2点タイムリーヒットが飛び出して4点を奪われると、8回裏終了時点でのスコアは0-9だった花巻東。打線も仙台育英・先発の湯田統真選手(3年)に5者連続三振を喫したのをはじめ、後続の投手たちも打ちあぐねここまでわずか2安打に封じられるという状況。それだけにこのまま敗れるかとも思われた。
しかし、9回裏の攻撃で花巻東は意地を見せた。前のイニングから投手としてマウンドに上がりピンチを脱した北条慎治選手(3年)が先頭打者として四球を選び出塁すると、続く主将・千葉柚樹選手がセンター前ヒットを放って無死一、二塁のチャンスに。ここで打席に入った広内駿汰選手(3年)、堀川琉空選手(3年)がそれぞれ連続タイムリーヒットを放ち、2点を返した。
花巻東の攻撃はまだまだ終わらない。代打で出場した寿時東弥選手(3年)はショートゴロに終わったが、その間に三塁ランナーが生還して1点追加。小林然選手(3年)がセカンドゴロに倒れて2アウトとなっても、1番の簗田蒼汰選手(2年)がセンター前ヒットでさらに1点を追加してスコアは4-9。続く熊谷陸選手(3年)も粘ってレフト前ヒットを放ち、2死一、二塁とチャンスを継続させた。
ここで打席に立ったのは3番の佐々木鱗太郎選手(3年)。ここまで3打数ノーヒットとはいえ、高校通算140本塁打を放ったスラッガー。一発が出れば一気に2点差にまで詰め寄るという場面で甲子園のボルテージは最高潮に達した。
仙台育英の投手・田中優飛選手(3年)もこのスラッガーに対して力勝負を選択。ストレートでグイグイと攻め込んでいき、佐々木もそれに応えるかのように反応。1球たりとも見逃せない名勝負となった。
そしてカウント2-2から田中が投じた5球目、内角に入ったストレートを佐々木が叩いた。
打球は一、二塁間を抜けるかと思われたが、セカンドの浅面大地選手(3年)がこれをダイビングキャッチして一塁へ送球。佐々木も懸命に走り一塁ベースへヘッドスライディングを見せたが……判定は無情にもアウトでゲームセット。仙台育英がベスト4に進出した。
反撃は届かなかったが、これぞ高校野球というべき花巻東の全員野球による猛攻を見た甲子園のファンは両チームに惜しみない拍手を送り、視聴者も「野球の神様凄いな」「いい試合だった」「どきどきした」「ありがとう」と両チームの全力プレーに感動した様子だった。
画像提供:バーチャル高校野球
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