8月12日にZOZOマリンスタジアムで行われた千葉ロッテマリーンズ対埼玉西武ライオンズの一戦で、ロッテのベテラン・荻野貴司が放ったサヨナラ犠牲フライを巡るリクエストと、その後の顛末について、野球解説者の里崎智也氏が言及した。
【映像】物議!審判が衝撃発言「映像なし」
1-2で迎えた9回裏の攻撃で、ロッテは土壇場で同点に追いつくと、なおも1死二、三塁と、逆にサヨナラの好機に。ここでロッテの1番・荻野は、西武の守護神・増田達至がカウント1-2から投じた4球目、外角やや高めのストレートを振りぬくと、センターへの飛球に。この打球を西武のセンター・長谷川信哉が抑えたのを確認し、三塁走者の岡大海がタッチアップで本塁へと生還。
劇的なサヨナラ勝利となったかに見えた。しかしその直後、西武ベンチは、三塁走者・岡がタッチアップする際に、長谷川の捕球よりも早くスタートを切っていたのではないかと、リクエストを要求。中継映像を元に審判団が協議した結果、リクエストは認められず、ロッテのサヨナラ勝利が確定することとなった。なお、その際に、審判団が行った説明は、「リプレー映像はありませんので、判定どおり、得点とします。」というものだったことも手伝い、両球団のファンからは様々な反響が寄せられることとなった。
8月19日放送の『バズ!パ・リーグ』(ABEMA)では、改めてこの場面をVTRで振り返る形で紹介することとなったが、VTRを観た里崎氏は、「これ、説明良かったと思いますよ。ないものはないんですから。そんなもん仕方ないじゃないですか。しかも、もう、日本は中継映像でこのリクエスト制度をやるっていうのは、決まっているわけなんで。それに対して文句を言ったって、始まらないですよね。」と、審判団の説明した「リプレー映像がない」という説明は明快で適切であったとした上で、MLBのように検証用の映像を記録するカメラを新たに全球場に設置し、運用しようとした場合、試合数が少なく、予算面で厳しい地方球場での設置が難しく、開催自体ができなくなると指摘。さらには「外野のタッチアップとスタートを両方押さえるって、仮にその映像があったとしても、いつグラブに入って、いつスタートを切ったのかを、鮮明にきっちり分かる映像って保つのはなかなか難しいんじゃなのかなと思いますけどね。(撮影範囲が)広すぎて。」と、今回のような事例においては、同じ画面で、かつ、同じピントで記録した映像でもなければ、厳密に言うと検証しきれないという見方を示すこととなった。
(ABEMA『バズ!パ・リーグ』)