8月21日に放送された「熱闘甲子園」で、第105回全国高校野球選手権記念大会(主催:朝日新聞社、日本高等学校野球連盟)に出場した日大三(西東京)のエース・安田虎汰郎選手が、最愛の祖父に手紙を読み上げる姿が紹介された。
【映像】“世界一のじいちゃん”へ 感謝の手紙
安田には、どうしても甲子園に連れていき、そして、優勝の瞬間に立ち会って欲しい人間が2人いた。1人は、入学時から安田ら日大三ナインを指導して成長させ、今春で勇退した小倉全由前監督。もう1人は、幼い頃から誰よりも自分の活躍を楽しみにしてくれていた“じいさん”こと、祖父・正二さんだ。
安田は、子供の頃から、正二さんの仕事である伊勢エビ漁を手伝うような、“祖父孝行”の孫であったという。そして、正二さんもまた、孫である安田の活躍を、何よりも楽しみにしていた。それだけに、西東京大会の決勝、日大三が勝利し、甲子園への出場を決めた際には、スタンドの正二さんも、思わず歓喜の叫びを上げた。そして、手にしたタオルで、あふれ出る喜びの涙を、思う存分、ぬぐった。“海の男”である正二さんが、人目を憚ることなく男泣きした瞬間だった。
「じいさんへ まずはこの3年間、自分を応援してくれてありがとう。」孫である安田が、正二さんに宛てた手紙の冒頭で綴ったのは、飾らずとも誠実な、感謝の言葉だった。そして、正二さんにとっての“最愛の孫”は、次のように続ける。「最後の夏、じいさんを甲子園に連れていけて、本当に良かったです。そして、自分のプレーを見せて、元気を届けられて、良かったです。」
2人にとっては、幼い頃からの“いつもの場所”である船の上。孫の読み上げる手紙に、ただただ無言で頷きながら、耳を傾けていた正二さんは、安田が手紙を読み上げると、改めてそれまでの言葉と想いを噛み締めるようにゆっくりと頷き、首から下げているタオルで、目頭を押さえた。そんな祖父の姿を、孫は、「泣くなよ!すぐ泣くんだから。泣き虫で…」と愛情を込めて茶化すように笑いながら、ポンと肩を1つ叩いた。
祖父は、日大三が敗れた3回戦・第11日・第3試合のおかやま山陽(岡山)戦後に、泥だらけとなり、今にもその場に崩れ落ちてしまいそうになりながら、孫が流し続けた涙を知っている。その後、宿舎に戻った後も泣き続け、三木有造監督から「安田、泣きすぎだよ、お前!」と“愛あるツッコミ”を入れられるほど、すべての涙が出尽くすまで泣き続けたことも知っている。そんな時間を経た最後の夏の終わりに、孫が明るい笑顔を見せている。言葉数が少なくても、祖父にはそのすべてが伝わっていた。
番組の取材に、「世界一のじいちゃんです。」と、明るく語る安田と、「世界一の孫になってもらわないとね。」と語った正二さん。この夏を経て、一回りも二回りも大きくなった孫の見せた逞しい笑顔は、幼き日から彼を知る祖父にとって、何よりも嬉しく、また、眩しいものであった。
写真提供:朝日新聞社
8月23日 決勝のハイライト動画
準決勝までのデイリーハイライト動画も
1〜3回戦(タップで動画へ) | ||
---|---|---|
8/6 第1日 | 8/7 第2日 | 8/8 第3日 |
8/9 第4日 | 8/10 第5日 | 8/11 第6日 |
8/12 第7日 | 8/13 第8日 | 8/14 第9日 |
8/16 第10日 | 8/17 第11日 | |
準々決勝・準決勝(タップで動画へ) | ||
8/19 第12日 | 8/21 第13日 |
『熱闘甲子園』動画一覧
8月6日(日)の開幕戦から決勝まで無料配信! キャスターは古田敦也氏、斎藤佑樹氏、ヒロド歩美氏が務めます。
日 | 見どころ(タップで動画へ) |
---|---|
第1日 | 浦和学院と仙台育英の好カードは3時間超えの大熱闘! |
第2日 | 川之江には幼なじみが4人…叶えたい願い |
第3日 | 通算140HR!花巻東の佐々木麟太郎選手が最後の夏 |
第4日 | 感謝届けたい相手がいる夏…第4日は家族の絆に胸が熱くなる! |
第5日 | 斎藤佑樹氏、捕手のキャッチング技術に脱帽! |
第6日 | 球児に宿るアルプスのチカラ |
第7日 | 笑顔 感謝 信頼...宿命 |
第8日 | ALL for ALL~全員が全員のために~ |
第9日 | 夏に輝くモンスター! |
第10日 | 広陵・主将が最高の舞台で最愛の人へ恩返し |
第11日 | 仙台育英に挑む履正社の信頼し合うW左腕 |
第12日 | 昨夏王者・仙台育英に立ち向かうは花巻東 |
第13日 | ベスト4がいちばん長い夏をかけて激突! |
第14日 | 4年ぶりに戻ってきた声に包まれ最後の一戦 |