藤井聡太王位、防衛4連覇達成で「七冠」堅守 タイトル戦初登場以来敗退無しで“八冠独占”挑戦へ/将棋・王位戦七番勝負第5局
【映像】藤井聡太王位、防衛4連覇達成の瞬間

 将棋藤井聡太王位(竜王、名人、叡王、棋王、王将、棋聖、21)が8月22・23日の両日、徳島県徳島市の「渭水苑」で行われた伊藤園お〜いお茶杯王位戦七番勝負の第5局で挑戦者の佐々木大地七段(28)に勝利。この結果、藤井王位はシリーズ成績4勝1敗とし防衛4連覇を達成した。藤井王位は保持する“七冠”を堅守。2020年のタイトル戦初挑戦以来“敗退無し”の勢いそのままに、前人未踏の全八冠獲得を目指す王座戦五番勝負(8月31日開幕)に挑む。

【映像】藤井聡太王位、防衛4連覇達成の瞬間

 藤井王位が挑む前人未踏の“八冠独占”へ、舞台を整えた。史上初の将棋の8タイトル制覇を狙う藤井王位は、残るタイトル「王座」の挑戦権を獲得しており、来る31日には永瀬拓矢王座(30)に挑む五番勝負が開幕する。大勝負を前に、立ちはだかったのが佐々木七段だった。本シリーズでは防衛4連覇とともに「七冠の堅持」が大きな見どころとなっていた。

 シリーズは藤井王位が開幕3連勝でスタートダッシュに成功したものの、第4局では佐々木七段のエース戦法・相掛かりに敗れシリーズ初黒星。3勝1敗で迎えた第5局・徳島対局では、挑戦者が連勝を目指し後手番で横歩取りを志向した。並行して行われたヒューリック杯棋聖戦五番勝負でも顔を合わせており、“夏の十二番勝負”を繰り広げた両者。藤井王位も普段通りの対応ながら、挑戦者の深い研究を警戒して折り合って比較的穏やかな展開となった。

 2日目午後からは本格的な戦いに。佐々木七段が前日に封じた1筋への角打ちに呼応し、藤井王位は左右をにらむように中央へ角を打って激しい戦いに突入した。持ち時間が切迫する中で佐々木七段は竜を作ることに成功したが、藤井王位は歩を垂らして竜の利きを止め挟撃態勢へ。攻め合いが繰り広げられたが藤井王位は冷静に応じ、最後まで正確な指し手でぎりぎりの勝負を制した。

 この結果、藤井王位が佐々木七段の挑戦を4勝1敗で退け防衛に成功、4連覇を達成。2023年に獲得した棋王位、名人位を含む7つのタイトルを堅守した。藤井王位はシリーズを振り返り、「序盤からじっくり考える将棋が多く、自分に足りないところが明確になったようなところもあったかなと思いますし、そういう将棋をいろいろ経験できたことはとても勉強になったかなと思います」とコメントした。

 藤井王位は2020年のタイトル初挑戦以来、挑戦、防衛戦ともに全17期で敗退経験がない。偉業を引っ提げて、残る最後の「王座」獲得に挑むことになる。

 対するは藤井王位のデビュー以来の研究パートナーでもある永瀬王座だ。永瀬王座は王座4連覇中で、今期は“最強の挑戦者”を迎えて永世称号の「名誉王座」獲得を狙う。名誉王座獲得か、八冠制覇か、将棋界を飛び越えて大きな注目が集まることになる王座戦五番勝負は、8月31日に神奈川県秦野市の「元湯屋」で開幕する。

 ◆藤井 聡太(ふじい・そうた) 2002年7月19日、愛知県瀬戸市出身。中学2年生時の2016年10月に史上最年少で四段昇段、史上5人目の中学生棋士となる。2020年度の第91期棋聖戦でタイトル初挑戦。渡辺明棋聖(当時)を破り、17歳11カ月で最年少タイトルホルダーとなった。2023年度には最年少で名人位を獲得し、史上2人の七冠保持者に。獲得と防衛を重ねて、竜王2期、名人1期、王位4期、叡王3期、棋王1期、王将2期、棋聖4期の通算17期。棋戦優勝は9回。通算成績は336勝67敗、勝率は0.834。趣味は鉄道、チェス。

ABEMA/将棋チャンネルより)

【中継】伊藤園お~いお茶杯第64期王位戦 七番勝負第五局2日目 藤井王位 対 佐々木七段
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