「金は買わないほうがいいと言ってきたが…」経済評論家が株、不動産の価格爆上がりに警鐘「バブル崩壊も不動産からはじまった」
【映像】「金は買わないほうがいいと言ってきたが…」経済評論家の発言
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 値上がりラッシュで家計が苦しくなる一方で、日本経済は「バブル」状態になりつつある。

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 このところ食品価格の高騰が相次ぎ、コーヒー豆は約2倍、オリーブオイルは57%アップの大幅値上げとなっている。ガソリン価格も13週連続で上がり、1リットル200円超も見えてきた。

 帝国データバンクの調べによると、今年上半期の倒産企業は3年ぶりに4000件台となり、前年同期比32%アップとなった。なかでもコロナ関連の倒産は、前年同期比57%アップとなっている。

 生活に影響が出るなか、日本株は好調だ。日経平均株価は右肩上がりで、バブル崩壊後33年ぶりの最高値3万3753円(2023年7月3日)を記録し、8月に入っても3万1000円台をキープしている。2009年の7054円からジワジワと増加し、コロナ禍での落ち込みからもV字回復した。

好調な株価
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 不動産業界も再開発ラッシュで好況だ。東京・港区に先日完成した、地上64階建ての「麻布台ヒルズ」では、上層部のレジデンスが1部屋20〜300億円になるという。東京五輪の選手村跡地に建てられた、東京・中央区のタワーマンション「HARUMI FLAG」も、最高価格1億円にもかかわらず、最高倍率は142倍となり、即日完売した。不動産経済研究所の調査では、首都圏の新築マンション平均価格は9940万円で、5カ月連続の上昇となっている。東京23区では前年比85%増の1億3340万円となり、1973年の統計開始以降、初めて1億円を突破した。中古物件も同様に、23区で7000万円と高騰している。

 金小売価格も今年8月1日、1グラム9946円の史上最高値を記録した。わずか5年で2倍以上となり、1999年9月の史上最安値962円から10倍以上に上昇している。

 経済評論家の佐藤治彦氏は、株価高騰の理由の一つに「投資の神様」の存在を挙げる。

「投資の神様」ウォーレン・バフェット氏
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 「株が上がった理由は、海外の投資家が爆買いしたから。きっかけは『投資の神様』といわれるウォーレン・バフェット氏が、日本の5大商社株に追加で投資すると言ったから」(佐藤氏)

 バフェット氏は、投資会社バークシャー・ハサウェイの会長・CEOで、個人資産は約15兆6400億円(日本円換算)の大富豪だ。「世界長者番付トップ10」に30年以上君臨し、11歳の投資デビューから、92歳のいまも現役で、株の勝率は8割をほこるという。そんな「神様」は2020年、日本の5大商社の発行済み株式の5%を取得し、今年4月に7.4%へ引き上げた。「日本企業はうまくやっている」との発言も相まって、5大商社株は2〜4倍上昇した。

 「一般の人ができない投資の仕方をする。株は『安い時に買って、高い時に売る』ともうかる。それができるのがウォーレン・バフェット。人はバーゲンが好きだが、株式では『高くなると買いたくなり、安くなると売りたくなる=買いたくない』となる」(佐藤氏)

経済評論家・佐藤治彦氏
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 一方で佐藤氏は、中国経済の影響を受けるおそれを指摘する。中国の不動産大手「恒大集団」が先日、48兆円の負債を抱え、ニューヨークで破産申請した。

 「バブル崩壊もリーマンショックも、実は不動産から始まった。中国人の富裕層がお金がなくなって、マンションを売り始めると、日本の不動産バブルもはじける」(佐藤氏)

 佐藤氏は、新築マンション高騰には「からくり」があると話す。

 「今年になって、高級物件ばかりが売りに出された。だから平均価格が上がった。去年買ったものが上がっているわけではない」(佐藤氏)

 佐藤氏によると、コロナ禍により世界的な「カネ余り現象」が起き、事業投資ではなく、株や金、不動産などに投機的な資金が流れたことが背景にあるという。その原動力の一つが、中国の富裕層だ。

 「中国で不動産を買っても、土地は結局北京(中国当局)のもので、借りているだけなんです。本当の金持ちの人が、中国で何か嫌なことがあったら、逃げて外へ行きたいですよね。そのときに安全で安心な国は日本。だから『とりあえず日本でも不動産を持っていこう』『中国でもうけたカネを日本で使おう』という人がいっぱいいた」(佐藤氏)

高騰する金
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 金高騰については、世界的なインフレが続くなか、インフレに強いとされる金が重宝されることと、経済や政情が不安定な国での「お守り」代わりの側面を指摘する。そこに加えて、金は基本的に米ドルで取引されるため、円安の影響を受けたという。

 「金にしておけば、1グラム1万円でしょ?1キロで1000万円の価値なんです。何かあった時、それを持ってすぐ逃げられる。世界中どこでも換金できる。だから先進国以外のところが、経済が良くなっていくと、そこの国のお金持ちが金にお金を替えていく流れがある」(佐藤氏)

 では、まだ金投資には参入の余地があるのか。この問いに対して、「私は20年、『金は上がりすぎだ。買わない方がいい』と言ってきたんだけど、ずっと上がり続けてきちゃったから。金に関しては、俺、自信ないんだ」とさすがの佐藤氏も懐疑的だった。

(『ABEMA的ニュースショー』より)

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