18歳の最年少棋士が、先輩の激闘に大興奮だ。将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2023」本戦トーナメント2回戦・第3試合、チーム稲葉とチーム千田の対戦が8月26日に放送された。チーム千田のメンバー藤本渚四段(18)はリーダー千田翔太七段(29)からドラフト会議で白羽の矢を立てられると、予選では当時名人だった渡辺明九段(39)を倒すなど大活躍。先輩2人とのチームにも溶け込み、のびのびとした対局を繰り返していた。控室でも自然体でチームメイトの戦いを見守ると、不意に訪れたチャンスに大興奮。「9五角!9五角!」と大盛り上がりするシーンが生まれた。
18歳でありながら、落ち着きと先輩たちとうまく会話するコミュニケーション能力も見せていた藤本四段が、思わず興奮した。第1局、チーム千田・西田拓也五段(31)は、チーム稲葉・服部慎一郎六段(24)と対戦。先手の西田五段が得意の三間飛車、服部六段が居飛車の対抗形と、予想通りの出だしになると、西田五段は飛車筋を変えて攻めの糸口を探る積極的な指し回しを選んだ。
お互いの主張がある序中盤になったが、ここで西田五段にチャンス到来。9筋に持ち駒の角を打ち込む手が見えると、すかさず藤本四段が「角打ち!9五角!」と声を発した。この手はチーム稲葉側でも見えていたようで、稲葉陽八段(35)は「うわー!痛っ!痛っ!」と悶絶した。
飛車・竜両取りという強烈な一手は、結果的に指されることはなかったが、形勢でリードしていた西田五段がそのまま攻め倒して快勝。それでもファンの関心は興奮した藤本四段に。「盛り上がる控室w」「友達の家でワイワイやってるみたい」「かわいい~」「渚君ヒートアップ」と最年少棋士が盛り上がった様子に、多くの反応が集まっていた。
◆ABEMAトーナメント2023 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり、今回が6回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士14人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全15チームで行われる。予選リーグは3チームずつ5リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)