将棋の永瀬拓矢王座(30)に藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、棋王、王将、棋聖、21)が挑戦する第70期王座戦五番勝負が8月31日、神奈川県秦野市の「元湯陣屋」で第1局の対局を行っている。ABEMAの中継には、開幕局の立会人を務める佐藤康光九段(52)が出演。自身が日本将棋連盟会長を務めていた2018年の“8人八冠”時代から、わずか5年で激変した将棋界を「目まぐるしい時代」と感慨深く語った。
【映像】偉業をかけた戦いを繰り広げる対局者の様子を語る佐藤九段
5連覇で永世位の「名誉王座」獲得を目指す永瀬王座と、全八冠制覇を狙う藤井竜王・名人が激突している注目のシリーズが開幕した。本局では、「7年ぶり2度目の正立会」という佐藤九段が立会人を務めている。「立会人だと対局者や周りの環境を見ながらというところがあるので、緊張感を味わっていますね」と感想を語った。
永瀬王座、藤井竜王・名人のどちらにとっても歴史的偉業がかかるシリーズ。佐藤九段は「お互いが大記録をかけて戦うというのは、かなり久しぶりですよね。15年前に、渡辺明竜王に羽生名人が挑戦した第21期竜王戦でお互いの“永世竜王”をかけて戦った番勝負がありましたが、それ以来の大きな勝負ですよね」と2008年の竜王戦七番勝負を回顧していた。
見どころだらけのシリーズとなるが、佐藤九段は「藤井さんはタイトル戦で負けたことがありませんから、誰が藤井さんをタイトル戦で負かすのかというところも注目されていますよね」とコメント。さらに、「2018年には8つのタイトルを8人で分け合った“戦国時代”と呼ばれた時期がありましたが、その時には永瀬さんも藤井さんもタイトルを持っていなかったんですよね。それから5年で今の状況があるということで、目まぐるしい時代でもありますし、普通は生まれないような記録が結構出ているなという印象ですね」と激動の時代に感慨深げな様子だった。
本局は、藤井竜王・名人得意の角換わりの出だしから、永瀬王座が趣向を見せる展開に。「内容も最先端を走る2人。第1局も永瀬王座が新工夫を見せて、今後新たに研究課題になるのかなと思って見ています」と興味は尽きない様子だった。
(ABEMA/将棋チャンネルより)