藤井聡太竜王・名人「力を合わせて勝てて良かった」チーム藤井、難敵のチーム斎藤を破り4強入り!2期ぶり5度目Vへ前進/将棋・ABEMAトーナメント
【映像】激闘を振り返るチーム藤井とチーム斎藤

 将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2023」本戦トーナメント2回戦・第4試合、チーム藤井とチーム斎藤の対戦が9月2日に放送された。今大会負けなしの藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、棋王、王将、棋聖、21)が2戦2勝と安定感抜群の指し回しでチームをけん引。最終スコア5勝2敗でチーム斎藤に勝利した。この結果、チーム藤井が準決勝に進出。4強はチーム藤井、チーム永瀬、チーム天彦、前回覇者のチーム稲葉に決まった。チーム藤井は、次戦で連覇を狙うチーム稲葉と対戦する。

【映像】激闘を振り返るチーム藤井とチーム斎藤

 2期ぶりV5を狙う藤井竜王・名人が、絶対王者の存在感を見せつけチームをベスト4に導いた。第1局は澤田真吾七段(31)が敗れ黒星発進となったが、第2局では藤井竜王・名人の同門の兄弟子でもある齊藤裕也四段(26)が千日手指し直しの大熱戦を制して勝利。両軍1勝1敗からリードを奪うべく、第3局をリーダーに託した。

 序盤の山場ともいえる第3局は、藤井竜王・名人と斎藤慎太郎八段(30)によるリーダー対決に。相掛かりの一戦は終始斎藤八段がペースを握っていたものの、終盤で一瞬の隙をついた藤井竜王・名人が大逆転。ピッタリの詰みに討ち取る逆転勝利に、敵も味方も騒然となった。

 この勢いに乗り、第4局は齊藤四段が再び登板したものの、相手の冨田誠也四段(27)に手痛い負けを喫して2勝2敗に。絶対に譲れない第5局では澤田七段が黒田尭之五段(26)との再戦に臨み、相掛かりの一局でリベンジを果たした。続く第6局は藤井竜王・名人が2度目の登板。三段リーグ以来の対戦となった冨田四段と、対抗形から相穴熊戦へ展開した。じりじりと後手の冨田四段にプレッシャーを与えてペースを握ると、藤井竜王・名人は慌てずじわじわとリードを拡大。盤石の指し回しでチームの勝利に“王手”をかけた。

 第7局は、齊藤四段が自分が勝負を決めるとばかりに立候補。相手リーダー・斎藤八段との“サイトウ”対決に向かった。三間飛車の出だしから相穴熊に。捌き合いの末、先に齊藤四段が攻める展開となると斎藤八段の粘りを許さず振りきって勝利を飾った。兄弟子がタイトル経験者でもあるA級棋士を撃破したとあり、藤井竜王・名人も「勝った、勝ったー!」と両手を頭にやり大喜びしていた。

 藤井リーダーの活躍はもちろん、齊藤四段の2勝、澤田七段の1勝と全員の力で決めた準決勝進出。藤井竜王・名人は「今回は一進一退の展開でしたが、力を合わせて勝てて良かったなと思います」と笑顔。前回覇者のチーム稲葉との準決勝に向けて「前回の優勝メンバーが揃ったということで、すごい強敵だなと思っています。なかなか攻略法を見出すのが難しいチームですが、思いっきりぶつかっていきたいと思います」と意気込みを語った。

◆ABEMAトーナメント2023 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり、今回が6回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士14人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全15チームで行われる。予選リーグは3チームずつ5リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
ABEMA/将棋チャンネルより)

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